2004 Fiscal Year Annual Research Report
歯周病関連のマスメディア情報と社会的認知に関する研究
Project/Area Number |
16659586
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Research Institution | Kyushu Dental College |
Principal Investigator |
宗 洋一郎 九州歯科大学, 歯学部, 助教授 (90047803)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
横田 誠 九州歯科大学, 歯学部, 教授 (40107298)
内藤 徹 福岡歯科大学, 歯学部, 講師 (10244782)
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Keywords | 歯周病 / 医療情報 / マスメディア / 健康情報 |
Research Abstract |
マスメディアの提供する医療情報は、社会的に大きな力を持ち、医療消費者の動向を左右する。とくに、ガンのような重篤な疾患や、糖尿病、高血圧、歯周病のような、罹患率が高く、難治であるコモンディズイーズの場合には、その傾向が顕著である。このため今回は、口腔疾患に関連する医療の情報がマスメディアによってどのように提供されているかという特性を明確にするための分析を実施した。 対象疾患として、「歯周病」にテーマを絞り、一般活字メディア情報データベース「エルネット」を使用し、1988年から2002年までの全国紙および地方紙60紙のなかで、「歯周」、「歯肉」、「歯槽膿漏」、「歯茎(ぐき)」、「歯垢」、「プラーク」のいずれかを見出しに含む記事を検索した。その結果、これらの検索語を含む記事の割合は全般に増加傾向が見られた。各年の掲載月には、6月に最も多く掲載される傾向が見られ、抽出記事の17.8%を占めていた。 記事の内容としては、企業からの新製品の紹介記事が最も多く、34.7%を占めていた。また、診断や治療法、予防法に関する記事も多く見られたが、これらのなかで情報の出典について記載のされていた記事は62.5%に過ぎず、情報としてのクオリティの低いものが多数含まれていた。 歯周病に関連した記事の量的な増加は、国民への歯周病の啓発につながり、口腔保健の重要性への認知を高める上で重要である。この点においては、新聞紙上における歯周病関連の語彙の出現が増えていることは有効であると思われる。しかしながら、不正確な情報が流布されたり、出所の明らかでない情報が流通することは、医療全体に悪影響を及ぼすことも考えられ、医療情報の正確さの判定システムなどを検討する必要も出てきた。
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