2005 Fiscal Year Annual Research Report
高齢者の便秘のリスク・アセスメント・スケールの開発
Project/Area Number |
16659589
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Research Institution | Akita University |
Principal Investigator |
佐々木 真紀子 秋田大学, 医学部, 教授 (40289765)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
石井 範子 秋田大学, 医学部, 教授 (10222944)
村田 勝敬 秋田大学, 医学部, 教授 (80157776)
長谷部 真木子 秋田大学, 医学部, 助教授 (60241676)
工藤 由紀子 秋田大学, 医学部, 助手 (20323157)
長岡 真希子 秋田大学, 医学部, 助手 (40333942)
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Keywords | 便秘 / 高齢者 / リスクファクター / アセスメント / スケール |
Research Abstract |
平成16年度に引き続き、便秘のリスクファクターと考えられる要因と排便状態について調査を行った。調査内容は便秘の要因として(1)年齢(2)性別(3)職業歴(4)出産歴(5)日常生活状況(6)最近1週間の生活の変化(7)食事の摂取状況(8)水分摂取量(9)飲酒の有無(10)喫煙の有無(11)排便時痛の有無(12)放屁(13)常用薬剤の有無(14)疾病の有無であった。また排便状態は(1)最近1週間の排便回数(2)便量(3)便の硬さであった。調査対象者数は平成16年度とあわせて252人であった。平均年齢は80.5歳、男性74名(29.4%)、女性は187名(70.6%)であった。そのうち下剤服用者は82名(32.5%)であった。下剤服用者は年齢が高齢になるほど多く(p=0.0004)、活動量の少ない人に多かった(p=0.042)。 下剤服用者を除く164名について便秘の要因と考えた項目と排便状況の関連を検討した。便秘の定義はRome IIの機能性便秘の定義に基づく週3回より少ないものとしたが、該当する対象者が3名(1.8%)と著しく少数であったことから、週5回以上の排便があるものと週4回以下のものの2群に分けて検討した。 便秘の要因と考えた各項目を独立変数、排便回数を従属変数として、年齢を調整し多重ロジスティック回帰分析を行った。アルコール摂取者、喫煙者は少なく、単回帰分析では排便回数とこれらに有意な関連が認められなかったため調整は行わなかった。その結果、年齢は排便回数に影響しており、高齢になるほど排便回数は少なかった(PR=1.12,95%CI:1.04〜1.20)。その他の項目はすべて排便回数と有意な関連がなかった。今回の調査では便秘の定義に該当する対象者は著しく少なく、排便回数の少ないものも少なかったため、年齢以外の便秘のリスクファクターについて言及することはできない。今後は対象の選択を再検討し、更に検討していくことが必要である。
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