2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
16659594
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Research Institution | Meiji College of Oriental Medicine |
Principal Investigator |
西山 ゆかり 明治鍼灸大学, 看護学部, 講師 (50320940)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
森 美春 明治鍼灸大学, 看護学部, 教授 (90144386)
片岡 三佳 岐阜県立看護大学, 看護学部, 講師 (30279997)
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Keywords | 臨床実習指導者 / 職業自我 / 職業的社会化 / リファレンスグループ |
Research Abstract |
看護基礎教育において学生が専門的知識、技術を統合して実践能力を身につけていく場が臨地実習であり、その指導にあたる臨床実習指導者の役割と責任は極めて大きい。多くの臨床実習指導者はどのような経過を経て、看護教育者として成長していくのかに疑問をもち本研究に取り組んだ。 【研究目的と方法】本研究では臨床実習指導者の職業人としての社会化の過程を、職業自我の発達の側面から明らかにするために、G.H.Meadの象徴相互作用理論を枠組みとして用い、31名の学生指導の経験のある看護師に半構成的面接を行った。面接内容は、逐語録に転記した上でコード化し、KJ法を用いて分析した。 【結果】分析内容から3077の意味項目が得られ、これらを"いつ"の時期に、"どのような行動と思考"を取り、"何をリファレンス"したのかをエピソードごとにグループ化した。その結果、8のカテゴリーが抽出され、1)臨床実習指導者との出会い、2)臨床実習指導者としてのこころの準備期間、3)初期の臨床実習指導者の思考と行動、4)臨床実習指導者としての思考と行動の変化、5)臨床実習指導者としての職業自我の確立、6)成熟した臨床実習指導者、7)看護教育者・管理者としての組織に所属、8)リファレンスグループとしての人びと・もの・こと、であった。 【考察】臨床実習指導者として社会化される過程において、職業自我は、学生の頃の臨床実習指導者との出会いから始まっていた。そして、リファレンスグループである先輩看護師の学生との関わる姿を見ることによって、臨床実習指導者としてのこころの準備を整えていたと考えられる。実際に学生と関わりをもっようになってからの職業自我の発達過程は、身近なリファレンスグループとのシンボルのやり取りを通して、送られたシンボルを自らの中に取り込み、思考と行動の変化が起り、臨床実習指導者としての役割の明確化・行動の明確化がされることで、自立した行動がとれるようになり、成熟した臨床実習指導者として成長していくと考えられる。更に、自らの中に行動を意識化し、リファレンスグループとの関係において、看護教育者として看護管理者の組織に所属することで、次の職業自我確立のスタートラインに立つと考えられる。リファレンスグループは、職業自我の発達過程において看護教育者としての役割モデルであり、リファレンスグループと臨床実習指導者との関係はMentorとMenteeの関係と言えるのではないか。
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