2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
16659595
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Research Institution | Aomori University of Health and Welfare |
Principal Investigator |
山田 典子 青森県立保健大学, 健康科学部, 講師 (10320863)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
宮本 真巳 東京医科歯科大学, 大学院・医学部, 教授 (30209952)
米山 奈奈子 秋田大学, 医学部, 助教授 (20276877)
山本 春江 青森県立保健大学, 健康科学部, 教授 (00315540)
工藤 奈織美 青森県立保健大学, 健康科学部, 助手 (50315553)
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Keywords | ドメスティック・バイオレンス / 被害者 / 看護職 / 早期介入 / 異和感 |
Research Abstract |
DV被害者の早期発見のためのチェックリスト作成の資料を得ることを目的として16年度調査を行い、看護師と保健師の観察視点には特長があるという看護職の観察特性が明らかになった。自分自身の特徴を理解することが見落としを回避するために必要であり、観察者側のDV被害者早期発見のためのチェックリストは短時間で適切に観察するために有用であることが示唆された。この結果を元にDV早期発見チェックリスト(臨床看護場面用、保健相談場面用、危機遭遇場面相談用)を作成した。 上記のチェックリストを用いて、看護場面、保健場面で各100事例以上、配偶者暴力相談支援センターで54事例の相談者にチェックリストの活用を試みた。 DV被害者の相談先で最も多かったのは、警察(35.2%)次いで配偶者暴力相談支援センター(29.6%)、その他(姉妹、友人など)13%であった。 DV問題には家計の問題(謝金、加害者のギャンブル、無収入等)が74.1%と最も多く関与していた。外見的な観察では顔面に傷がない場合はわかりづらく、不眠抑うつ症状を伴った訴えが63%のものに見られた。DV家庭に子どもがいる場合、母親からの虐待が9.3%、父親からの児童虐待が29.6%にみられ、DV家庭における児童虐待の連鎖がうかがえた。 早期発見チェックリストの活用と同時に、看護職はDV被害者支援に結びつく社会資源の把握と理解を深め、必要な情報を必要な人に如何に届けるかが今後の課題であると示唆された。 アメリカのカリフォルニア州サクラメント市における海外調査では、医療機関や行政、警察、裁判所、民間組織のDV対策の実際を視察した。その取り組みの概要はセーフコミュニティづくりを基盤に据えており、部門横断的かつポピュレーションストラテジーを基本戦略に掲げていた。視察で得た人脈を活かし、「DV等による喪失体験にさらされたこどものケア」というテーマで、ジョーン・S・ホフ氏の研修会を青森で開催し関係者への情報提供を行った。
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Research Products
(3 results)