2004 Fiscal Year Annual Research Report
分娩進行状態の非侵襲的な診断方法の確立に関する基礎的研究
Project/Area Number |
16659601
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Research Institution | Akita University |
Principal Investigator |
渡邉 竹美 秋田大学, 医学部, 講師 (90279919)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
糠塚 亜紀子 秋田大学, 医学部, 助手 (90361237)
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Keywords | 助産師 / 分娩 / 内診 / 分娩進行状態 / 産婦 |
Research Abstract |
分娩進行中に発する産婦の言語的・非言語的サイン・身体の変化と,分娩進行状態の関連を明らかにするために,助産師にインタビュー調査を実施した. 1.データ収集期間:2004年9月〜2005年2月 2.研究参加者:研究参加助産師は,78-85歳のかつて助産師として開業経験を有したもの8名,現在開業助産師としての実践者4名,病院勤務助産師42名(経験年数1年未満6名,2-5年未満12名,5-10年未満5名,10-20年未満8名,20年以上11名),合計54名であった. 3.方法:対象助産師へのインタビューは,半構成式インタビューで個人あるいは2-4名のグループ・インタビューとした.インタビューは,(1)陣痛開始の判断,(2)分娩が進行していると判断できる状況や情報,(3)分娩が進行していないと判断する状況や情報,(4)分娩の進行を促進するケア内容,(5)内診をしようと判断する状況,(6)初産婦と経産婦の分娩進行状態の違いなど自由に語ってもらった.インタビュー時間は,30〜120分程度であり,インタビュー内容は承諾を得たうえで録音し逐語録を作成した. 4.倫理的配慮:文書および口頭にて研究の目的,研究参加方法,匿名性の保持,自由参加の権利等の説明を行い,文書による承諾が得られた助産師を対象とした. 5.分析:記述データを研究者間で繰り返して読み,質的帰納的に分析を加えた(経験年数1年未満の分析のみ終了). 6.結果:1年目の助産師の分娩進行状態を判断する産婦の言語的・非言語的情報は85件の記述が得られた.経産婦の分娩進行状態の判断では,「経産婦はいきなり分娩が進行するので怖い・構えてしまう」「何が起こるかわからない」など,分娩進行状態を判断する難しさや不確かさを感じていた.さらに,分娩進行状態を判断しケアする過程では,「技術の未熟さ」「ケアを実施したいが実践できない葛藤」「複数の産婦をケアすることの難しさ」「ケアの有効性の判断の難しさ」などを感じていた.このことは,助産師学生時代の産婦との1対1の関係で実施していたケアから,ケア対象が複数になることで生ずる実践上の戸惑いや不確かさを抱えている現状も明らかになった.
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