2005 Fiscal Year Annual Research Report
就労妊婦の労働負担による身体及び心理的ストレスに関する研究
Project/Area Number |
16659605
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
春名 めぐみ 東京大学, 大学院・医学系研究科, 講師 (00332601)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
村山 陵子 東京大学, 大学院・医学系研究科, 講師 (10279854)
渡辺 悦子 東京大学, 大学院・医学系研究科, 助手 (90376418)
福岡 秀興 東京大学, 大学院・医学系研究科, 助教授 (80111540)
関根 恭一 (株)三菱化学BCL, 研究開発部, 副主事
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Keywords | 妊婦 / 就労 / GHQ-12 / 疲労度 / 酸化ストレス / 脂質代謝 |
Research Abstract |
研究I:妊娠初期から末期までの妊婦613名、非妊娠女性39名を対象とした横断調査。 <方法>N産婦人科クリニックの妊婦を対象とし、コントロール群は同年代の非妊娠女性とした。書面での同意取得後、調査票を配布し、対面にて回収した。血液と尿サンプルの採取も行った。東京大学医学部研究倫理委員会の承認を得て実施した。調査期間は2004年7月2日から8月末までであった。 <調査内容>調査票では、個人属性、日常生活習慣、就労状況・環境、GHQ12、自覚症しらべ、妊娠に伴う身体・心理的症状、食品摂取頻度等について尋ねた。血液の脂質代謝・糖代謝、および生体の酸化ストレスの指標の一つである尿中バイオピリンを測定した。 <結果>妊娠中期で、非就労妊婦141名と就労妊婦64名での比較を行った。就労妊婦の方が眠気感、ぼやけ感がやや強く、昼間の休息時間が有意に短く、下肢の浮腫がみられやすかった。尿中バイオピリンでは差がなく、就労妊婦の方が、LDL-Cが低く、HDL-Cが高かった。 研究II:妊娠初期、中期、末期、産褥1か月までの4時点で、妊婦75名を対象とした縦断調査。 <方法>研究Iと同様の方法で実施し、調査期間は2004年7月〜2005年11月までであった。 <調査内容>研究Iと同様。 <結果>妊娠末期に増加する症状には、腰痛、股関節痛、皮膚のかゆみ、頻尿があり、一方妊娠初期では、集中力低下、気分不良、めまい、やる気が乏しい、体がだるい、ゆううつ、横になりたいといった症状が多くみられた。しかし、つわりは末期でも症状がある人もおり、日常生活にも支障をきたしやすい結果が得られた。 妊娠中期で、非就労妊婦と就労妊婦での比較を行ったところ、就労妊婦の方が、目の痛み、ぼやけ感、あくび、足のだるさを強く訴えていた。朝食を食べない、もしくは時々食べる人は全体の21.8%で、非就労妊婦の23.1%、就労妊婦の18.8%であった。定期的運動をする人は全体の27.0%で、非就労妊婦の18.8%、就労妊婦の30.0%であった。
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