2004 Fiscal Year Annual Research Report
不妊治療に臨む夫婦のリプロダクティブ・ヘルスケア -カップル支援有効性の検討-
Project/Area Number |
16659611
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
渡邊 実香 名古屋大学, 医学部, 助手 (70345908)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
森田 せつ子 名古屋大学, 医学部, 教授 (30182249)
安藤 寿夫 名古屋大学, 医学部附属病院, 講師 (90273234)
岩瀬 明 名古屋大学, 医学部附属病院, 助手 (20362246)
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Keywords | 不妊対処行動尺度 / 不妊 / 対処行動 |
Research Abstract |
近年、不妊治療中カップルのストレスに対するサポートの必要性が論じられている。ストレス軽減のためには、対処行動の選択は不可欠であるが、不妊治療という特殊な状況下の対処行動測定尺度はわが国において開発されていない。平成16年度はT.Y.Leeらによって開発された「The Coping Scale for Infertile Couples」の翻訳により「日本語版不妊対処行動尺度の開発」を試みた。 【方法】 不妊治療中女性、6施設325名(有効数114名)を対象として、平成16年6〜9月に質問紙調査(基本属性、モーズレイ性格検査、CISS対処行動評価票、日本語版不妊対処行動尺度〔15項目、4下位尺度〕)を実施した。日本語版不妊対処行動尺度の原版は中国語で、開発者による質問文の英語訳も存在する。日本語翻訳にあたっては原文との一致を条件とし中国語からの翻訳を基本とし、必要な手順を踏んだ。統計処理にはSPSS 12.0J for Windowsを用い、記述統計、妥当性の検証、信頼性(Cronbach's α)の検証を行った。 【結果・考察】 日本語版不妊対処行動尺度は、因子分析にて因子負荷量0.3以上を採択基準とした結果、13質問項目4因子より構成された。妥当性による理論的予測の検討において本尺度は支持できると考えられたが、全質問項目および3つの下位尺度の信頼性係数は、それぞれ0.643、0.762、0.632、0.634であり安定性は確認されたものの、第4因子については、2項目より構成されており十分な信頼性係数算出による評価はできなかった。開発された日本語版不妊対処行動尺度は、13項目であり臨床の場において短時間で簡易に使用することが可能である。今後、信頼性・妥当性の高い尺度の作成をめざし検討を行うとともに、カップル間の相互性を確認するためにも男性用尺度の開発を目指す必要がある。
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