2005 Fiscal Year Annual Research Report
インフォームド・コンセントに関わる熟練看護師の実践的知識
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16659618
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Research Institution | Kyushu University of Nursing and Social Welfare |
Principal Investigator |
石原 和子 九州看護福祉大学, 看護福祉学部, 教授 (30284714)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
増田 安代 九州看護福祉大学, 看護福祉学部, 助教授 (60300167)
徳永 淳也 九州看護福祉大学, 看護福祉学部, 助教授 (30343370)
末永 芳子 熊本保健科学大学, 保健科学部, 助手
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Keywords | インフォームドコンセント / 熟練看護師 / 実践的知識 / 因子分析 |
Research Abstract |
質的調査によって明らかとなったインフォームドコンセント(IC)に関わる熟練看護師の実践的知識についての12領域の概念および看護援助プロセスに基づき調査項目を設定し、概念の妥当性、信頼性について質問紙調査により定量的に検証した。まず、content validityに基づき生成された概念についてアイテムプールを作成し、約50名の看護師に対する予備調査を行った。質問項目のワーディング等の再検証を行い、質問項目のconvergentおよびdiscriminant validityについて探索的因子分析により検討し、質問項目の精緻化を図った。その後、ICに取り組んでいる特定機能病院や病床数400床以上の地域中核病院の計11施設を対象病院として選定し、研究協力依頼に同意した看護師1800名を対象者として自記式質問紙の郵送回収による本調査を行い、1172名から回答を得た(回収率約65%)。探索的因子分析により11概念(固有値1以上)が抽出されたが、各因子の因子負荷量や因子間の相関分析により、高い妥当性および信頼性が確保されているものと推察された。また、各概念領域のChronbachのα係数は、全て0.7以上を示し、十分な領域内の内部一貫性が得られていることも示された。各領域の平均得点では、肯定的姿勢、コミュニケーションの順に高く看護実践の場におけるこれらの領域に対する認知度・実践度が非常に高いことが示された。さらに、重回帰分析により、ICのコア領域に影響をおよぼした領域は、ICの取り組み、自己判断支援、IC後のフォローアップ、肯定的姿勢、情報提供、問題提起であり、これらの領域に属する項目の認知・実践度を高めることが有意にICの認識を高める可能性を持つことが示唆された。
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