2004 Fiscal Year Annual Research Report
臨床看護師のリフレクション能力育成を目指した現任教育プログラムの構築
Project/Area Number |
16659622
|
Research Institution | Gifu College of Nursing |
Principal Investigator |
池西 悦子 岐阜県立看護大学, 看護学部, 講師 (90280106)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
グレッグ 美鈴 岐阜県立看護大学, 看護学部, 助教授 (60326105)
栗田 孝子 岐阜県立看護大学, 看護学部, 教授 (00336637)
林 由美子 岐阜県立看護大学, 看護学部, 助教授 (40326103)
|
Keywords | リフレクション / 看護職 |
Research Abstract |
研究目的:卓越した看護師(専門看護師、以下CNS)のリフレクションの実態から有効なリフレクションの構造を明確にし、リフレクション能力育成プログラム構築への示唆を得ることであった。研究方法:病院勤務のCNS 10名に、自らの介入により問題解決に至った事例について半構造化面接を実施した。分析方法:面接内容の逐語禄から、問題解決に至る迄の思考とその思考に影響を与えた要因を要素として抽出した。そして、要素間の関係を整理し、まずはリフレクションの過程を明らかにした。結果の厳密性については、研究参加者に確認をとった。倫理的配慮:研究参加者に対して研究の説明を行い、個人の同意および必要時組織の了解を得て実施した。結果の扱いでは、個人および組織が特定されないよう配慮した。結果・考察:看護実践におけるリフレクションの要素としては、専門職として関わる『問題の発見と立て直し』と、自分自身や対象者との対話を通して問題と介入方法および実施を吟味する『対話による吟味』、そして『対話による吟味』の視点を形成し豊かにする『実施後の振り返りとその意味づけ』が抽出できた。『問題の発見と立て直し』は、介入方法の決定とその実施においても繰り返し行いながらより問題の本質へと接近し、それに応じて介入方法を修正するという過程をとっていた。今回の結果では『問題の発見と立て直し』および『対話による吟味』の基になった経験内容やその経験を想起した契機は表現されず、過程を明らかにするに留まった。それは、リフレクションという概念やその方法について教育を受けていないこともその一因と考えられた。以上から、看護実践を導く思考であるリフレクションの能力を育成するには、意図的な教育、特に『対話による吟味』の内容を形成・蓄積する『実施後の振り返りとその意味づけ』の重要性が確認できた。今後は、『対話による吟味』の内容を精選し、『実施後の振り返りと意味づけ』の視点として、プログラム構築に活用したい。
|