2004 Fiscal Year Annual Research Report
Snoezelenによる痴呆高齢者の行動変容効果に関する研究
Project/Area Number |
16659628
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Research Institution | Mie University |
Principal Investigator |
荒井 淑子 三重大学, 医学部, 助手 (80345983)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
西下 彰俊 東京経済大学, 現代法学部, 教授 (80156067)
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Keywords | Snoezelen / 認知症 / 刺激の特定 / 生理学的所見 |
Research Abstract |
本研究では、徘徊や問題行動、また、施設入居中の帰宅願望や不穏行動を示す認知症の高齢者に対してのSnoezelen環境の効果を、標準化されたスケールを用い学術的に実証していく事を目的とし、結果分析を行うことで以下の事を明らかにする。 A・認知症の高齢者の行動変容に効果のあるSnoezelenの環境を明らかにする。 B・Snoezelenと痴呆レベルとの関連を明らかにする。 C・行動変容効果の持続期間と効果を持続させる人的環境(ケア提供者の対人関係)について明らかにする。 Snoezelen概念の意味から述べると、環境設定は、日常生活を再現したような環境でも、非日常の世界を再現した環境でも、どちらでも良いということになる。今回我々が取り組もうとしている環境は、非日常の世界を再現した環境でのSnoezelenである。 今年度は、その環境刺激を研究者が分別あるいは特定できるようにするためには、どのようなメソッドを用いることが効果的であるかを、先行研究やスウェーデンでのsnoezelenの視察により調査した。 海外文献による分析を進めていく中で、特定の環境設定が認知、行動、気分等の側面に影響を及ぼす可能性を示唆する文献は見られたが、現時点ではその特定環境をはっきりと示している文献は見当たらなかった。また、生理学所見を計測している研究は数少なかった。 来年度は、文献検討で得られた情報に、スウェーデンの障害児及びSnoezelen視察によって得られた情報を加え、実際にSnoezelenの実施を行う。その際、非日常の世界での環境刺激を調整することで、目的AおよびBが達成できると考えられる。
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