2004 Fiscal Year Annual Research Report
老人保健施設における高齢者の日常生活援助に「積極的歩行訓練」を導入することの効果
Project/Area Number |
16659633
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
ラウ 優紀子 慶應義塾大学, 看護医療学部, 助手 (60310413)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
太田 喜久子 慶應義塾大学, 看護医療学部, 教授 (60119378)
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Keywords | 積極的歩行訓練 / 高齢者 / 認知症 / 健康維持 / 老人保健施設 / スタッフ / 日常生活援助 |
Research Abstract |
【目的】本研究では、老人保健施設における「積極的歩行訓練」をスタッフの日常生活援助に効果的に導入することにより、虚弱高齢者が心身の健康状態を維持・向上することを目的としている。 1年目は、この訓練に関する講習会を開催した。次に、訓練を日常生活援助に導入するためのマニュアル作成を進め、歩行訓練を実施した。 【方法】1.研究期間:平成16年4月〜平成17年3月 2.対象者:高齢者11名(女性、平均年齢80歳、平均要介護度4)とスタッフ36名(男性14名、女性22名) 3.研究方法:スタッフ向け筋力測定器の取り扱い・尺度(FIM)に関する講習会を講義・演習形式で開催した。業務への訓練の導入と歩行訓練方法等に関するマニュアル作成についてスタッフと研究者が定期的に話し合いを行ない、歩行訓練を実施した。 【結果】歩行訓練について、施設では高齢者の居住場所であるフロアーにて、高齢者個々の歩行能力に合わせた歩行距離を日常生活行動の中でスタッフによる介助のもとに歩くようにした。全体的に、訓練開始1ヵ月後から下肢伸展筋力の増加が見られた。体力の指標となる握力は、訓練開始1ヶ月後、11名中5名に増加が見られた。高齢者は、訓練を健康の維持を図る良い機会と捉え、「もっと練習したい」、「今の自分の歩く能力を維持したい」等の発言が見られた。施設では年々、高齢者の認知能力が低下しており、10名中6名にも認知障害があり、訓練や評価に困難を来たしている他、スタッフが効果的な訓練を実施できていない現状があるため、訓練実施・評価方法について適宜、検討・修正しながら進めている。 【今後の予定】平成17年度は、上記高齢者の歩行訓練を継続し、退所の場合は新たな対象者に訓練への参加を依頼する予定である。また、認知症高齢者へどのように歩行訓練を導入・評価することが効果的か、その方法について検討を行い、訓練を実施する予定である。
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