2004 Fiscal Year Annual Research Report
ユーザーの生体計測情報を用いたロボットの拡張感覚に関する研究
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16680011
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Research Institution | Nara Institute of Science and Technology |
Principal Investigator |
柴田 智広 奈良先端科学技術大学院大学, 情報科学研究科, 助教授 (40359873)
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Keywords | 筋電 / モーションキャプチャ / 知能ロボット / 眼球運動 / 非侵襲生体情報計測 / 環境知能 / プレインマシンインタフェース |
Research Abstract |
本年度は基礎実験システム構築,および基礎実験を行なった. 具体的なシステムとしてはモーションキャプチャ装置,筋電計測装置,ロボット(マニピュレータ)およびその制御用計算機,眼球運動計測装置がネットワーク接続されたシステムを構築した.本システムでは,ユーザーの姿勢,筋電,眼球運動の情報がロボットの制御用計算機に実時間で集約される.また,これ以外に,筋電信号と手先の発生する力との関係を関数近似するための計測環境も構築した. 基礎実験としては,手関節の1軸の屈曲運動によって発生する手先の力ベクトルを推定し,インピーダンス制御されたロボットへ入力することでロボットの2関節を実時間制御することができた.手先の力ベクトルは,筋電信号から推定する力の大きさと,モーションキャプチャ装置から推定する手の姿勢情報を統合して算出した.さらに,ロボット側にステートマシンを導入することによって,1平面に限定された単純な手先の力ベクトル情報から,複雑なロボットの運動を誘導することができた.以上の基礎実験システムと実験に関しては,国内会議に予稿を投稿済みであり,国際会議への投稿も準備中である. 本実験においては,筋電信号からの力の推定は,線形近似で十分であることが判明したが,一般的には非線形近似が必要となることから,非線形関数近似器の準備は行なっている.さらに,筋電情報や手の接触部位における力計測情報,ダイナミクス情報を用いることで,腕や指先における各関節の出力トルクや各筋肉の剛性を推定する研究も順調に進んでおり,次年度に実験システムに統合する.
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