2005 Fiscal Year Annual Research Report
ユーザーの生体計測情報を用いたロボットの拡張感覚に関する研究
Project/Area Number |
16680011
|
Research Institution | Nara Institute of Science and Technology |
Principal Investigator |
柴田 智広 奈良先端科学技術大学院大学, 情報科学研究科, 助教授 (40359873)
|
Keywords | 筋電 / モーションキャプチャ / 知能ロボット / 眼球運動 / 非侵襲生体情報計測 / 環境知能 / ブレインマシンインタフェース |
Research Abstract |
ロボットの知能化,特に人間とのコミュニケーションや協調作業実現のためには,良く利用されている聴覚や聴覚以外に,力覚や触覚が大変重要となる.本研究では,力覚や触覚の無い機械やロボットとの力覚・触覚的なコミュニケーション・協調作業を実現する新しいアプローチを提案している.具体的には,ユーザーの筋電やモーションキャプチャ情報をロボット制御用計算機に実時間で送信し,ロボットがその情報に従った知的な行動を起こすシステムを構築している. 本年度の進捗は2点ある.第1に,ユーザーの手の触覚を検知し,ユーザーからロボットに与えられる力ベクトル情報を推定して,ユーザーとロボットで協調的把持を実現した.第2に,ユーザーの手の接触位置に基づいてロボットの振る舞いを変える実験を行った(Nomura, Shibata, et al., 2005). 手からロボットに与えられる力ベクトルの推定は,表面筋電位情報とモーションキャプチャから得られる姿勢情報を統合し,予め力センサーを用いたキャリブレーションを行っておくことで実現した.本年度設定したタスクの範囲では力ベクトルの推定は線形学習器で十分であった.協調把持タスクにおいてはロボットはインピーダンス制御されており,ユーザーはロボットの持つインピーダンスを容易に理解して協調把持を行うことができた. ユーザーの手の接触位置の検出は,モーションキャプチャ装置によって数ミリメートルの精度で実現された.ユーザーの手から与えられたと考える力の大きさを,ロボットの肩関節(支点)から手の接触位置(力点)までの距離に反比例させると,そのロボットアームが1本の棒であるかのようにユーザーに感じさせることができた. さらに現在,全身を用いたロボットとの協調作業の具体例として,ユーザーとロボットによる重量物体の協調把持タスクのモデルを立てて研究を進めている.
|