2004 Fiscal Year Annual Research Report
触覚を持つロボットにおける皮膚感覚とコミュニケーションの相関関係獲得
Project/Area Number |
16680012
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Research Institution | Advanced Telecommunications Research Institute International |
Principal Investigator |
宮下 敬宏 株式会社国際電気通信基礎技術研究所, 知能ロボティクス研究所, 上級研究員 (50332771)
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Keywords | 触覚コミュニケーション / 触覚センサ / 触行動解析 / センサネットワーク / 自己組織化 / 全身触覚 / ロボット / 分散処理 |
Research Abstract |
平成16年度は,敏感で柔らかい皮膚センサおよびその読み取り回路として感度可変でロバストな結線を実現したものの開発を行い,それと同時に,一般被験者に設備備品である皮膚センサ(試作品)で覆われたロボットとの接触を伴うコミュニケーションを依頼し,皮膚センサ出力とロボット・人間の触行動に関するデータ収集実験を行った. 具体的には,国際電気通信基礎技術研究所の設備備品である皮膚センサ(試作品)を用いたロボットと人との触覚コミュニケーション実験の結果から,触覚センサに必要な空間/時間解像度を求め,それを基にロボットを覆う皮膚センサと読み取り回路を開発した.開発した皮膚センサはPVDFの小片を用いたシート状圧力センサであり,これを用いれば接触時の人の手の向きが識別できる4エレメント/100cm^2以上のセンサエレメント密度をロボットの体表で実現することができる.また,この圧力センサは柔らかさを表現するシリコンゴムで覆って用いるが,その内部配線として導電性シリコンゴムを使用した伸縮可能で断線可能性の低い配線手法の試作検討も行った,さらに,センサ読み取り回路としては,信号処理用にCPUを2つ搭載し,通信ポートを9チャンネル装備した小型回路(84×24×7mm)を試作した.この回路上で触覚データを分散処理し,ホストPCまでの情報伝達経路を自己組織化することで,感度可変でロバストな結線も実現できる. 一般被験者を用いたデータ収集実験は,JR大阪駅にあるディアモールで行い,284人の被験者から311830フレームの有効な触覚センサデータを収集した.収集したデータの解析結果(時空間での類似性をDPマッチングによって求める手法)から,コミュニケーション時の触覚センサ出力は,触行動でよく用いられる身体の部位によってまず大きく分類され,さらに個々の部位の触られ方によって分類されるという,階層的な分類が可能であることを明らかにした.
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