2005 Fiscal Year Annual Research Report
翻訳開始因子間の相互作用を指標とする蛋白質合成のリアルタイム可視化システムの構築
Project/Area Number |
16680016
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
森 泰丈 大阪大学, 医学系研究科, 助教授 (00343252)
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Keywords | 局所翻訳 / バイオセンサー / FRET |
Research Abstract |
我々はmRNAから蛋白質への翻訳がおこなわれる過程をリアルタイムに解析するための手段として、翻訳開始因子間の相互作用の変化をFRET(Fluorescent Resonance Energy Transfer)を用いて可視化する手法の開発した。これまでの研究手法は翻訳の最終産物である蛋白質量に依拠しているが、蛋白質の量は翻訳以外の様々な不確定要因による影響を受けるため、翻訳動態の指標としては不適切である。そこでわれわれは翻訳開始時に起きる翻訳開始因子複合体のなかで直接相互作用を起こすeIF2βサブユニットとeIF5のそれぞれをCFPおよびYFPで標識した蛍光プローブが結合・解離する様をFRETでモニタリングすることにより翻訳を可視化することにした。本年度の計画は後根神経節より単離した神経が突起を伸展するときに形成される成長円錐内で、タンパク質合成の動態をリアルタイムに観察することである。我々はFRETプローブを発現するアデノウイルスをラット後根神経節細胞に感染させた後、成長円錐内で観測されるCFP/YFPの蛍光比率の変化を可視化することを考えた。しかし後根神経節細胞はアデノウイルスの感染により多くが死滅することが分かった。また生存した細胞に関しても蛍光に暴露しているうちに、蛍光により脆弱化し長時間の観察に耐えないことが分かった。そこでelectroporationによるFRETプローブの発現を試みたところ、成長円錐における翻訳動態の変化を観察することが可能となった。
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