2004 Fiscal Year Annual Research Report
シリコン・ストリップ検出器を用いた医療用X線撮像装置の開発
Project/Area Number |
16680022
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
吉田 勝一 広島大学, 大学院・理学研究科, 助手 (50304390)
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Keywords | Medical imaging / X-ray imaging / Silicon strip detector / Silicon microstrip detector / X-ray detector / X-ray CT / Silicon strip sensor / X-ray computed tomography |
Research Abstract |
本年度は、シリコン・ストリップ検出器を用いた医療用X線撮像装置の原理の確認を以下のように行った。X線源としてはカドミウム109の密封線源(22keV)を用いた。X線をシリコン・ストリップ検出器にストリップと平行に入射させ、多数あるストリップのうちの一つの信号を読み出した。シリコン・ストリップ検出器は、その上下を鉛板で挟み、コリメータとした。一つのストリップでは2次元の撮像ができないので、被写体を2次元ステージに載せ、被写体を動かすことで二次元画像の取得に成功した。被写体には鶏の腿の骨を用いた。X線光子を1個1個検出し、約1マイクロ・グレイ(胸部レントゲン撮像の数百分の1)の照射でかなり鮮明な画像を得ることができた。X線光子の検出効率は、約57%でほぼ期待どおりの値であった。検出効率が低かったのは22keVという比較的低いエネルギーのX線を用いたためである。実際の医療診断では40keV前後のX線を用い、この場合の検出効率は86%程度となる。さらに、今後、不感領域を小さくする改良を行うことで最終的には97%程度の検出効率が期待できる。今回はストリップ・ピッチが228ミクロンのシリコン・ストリップ検出器を用いたが、そのストリップ・ピッチから期待される位置分解能を得ることができた。バックグラウンドも十分に小さく、コリメータが予想どおりに機能していることが確認できた。以上の結果より、シリコン・ストリップ検出器を用いたX線撮像装置の基本的な原理には問題が無いことが確認できた。 本研究成果は、登壇者として国際会議で1件、国内学会で1件の発表を行い、雑誌投稿が1件、特許申請が1件という成果も得た。
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Research Products
(2 results)