2004 Fiscal Year Annual Research Report
臓器力学特性の高精細可視・可触化による次世代手術計画システムの開発
Project/Area Number |
16680024
|
Research Institution | Nara Institute of Science and Technology |
Principal Investigator |
中尾 恵 奈良先端科学技術大学院大学, 情報科学研究科, 助手 (10362526)
|
Keywords | 手術計画システム / 手術シミュレーション / 仮想人体 / ボリュームレンダリング / ボリュームモデリング / 力覚提示 / 有限要素法 / 医用バーチャルリアリティ |
Research Abstract |
本研究では人体臓器の機能・力学特性を高精度にシミュレートし、実時間で可視・可触化することによる、次世代の体感型手術計画システムの開発を目的としている。手術計画の支援を目的とした術前リハーサルを実現するためには、日々測定される患者データを扱える必要があるが、モデリングの際のデータの欠落、加工を避けなければならない。加えて、術中に起こりうる臓器の物理的な振る舞いを精度よくシミュレートし、シミュレーション結果を実時間で高精細に可視・可触化することが必要である。これに対し、本年度では次の三つのテーマに基づいて、要素技術の開発及びプロトタイプシステムの構築を行った。開発技術は特許化し、国内外において研究成果の発表を行った。 (a)ボクセル・メッシュデータ統合可視化手法の開発 微細な血管の走行や臓器の形状・性状は手術計画に重要な要素となるが、従来のポリゴン表現では高精細な描出が難しく、臨床における使用に向かない。本研究では、変形・破壊シミュレーションによって生じた臓器表面・内部構造の変化を実時間で可視化できる方法論の開発を行った。 (b)グローブ型力覚提示デバイスを用いた臓器力学特性の可触化環境の確立 従来の力覚フィードバックを備えたシステムは、ほとんどが棒状の簡単な形状を持つマニピュレータを持つだけであり、触診や臓器に対する圧排などの複数の指や手全体の動きをサポートできていない。本研究では、臓器の力学特性のシミュレーション結果を、グローブ型デバイスを通して複数の指に出力できる環境を構築した。 (c)実測患者データからのモデリングの効率化・自動化 臨床現場にシステムを導入する際の大きな課題の一つに、臓器モデル構築に要する時間コストの削減がある。本研究では、実測されたCT・MRIデータから自動で関心領域を抽出できない場合に、対話的かつ直感的に選択領域を修正できるインターフェースの開発を行った。
|