2006 Fiscal Year Annual Research Report
低温プラズマと光触媒の複合反応器による揮発性有機物の高速・高効率処理技術の確立
Project/Area Number |
16681007
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Research Institution | National Institute of Advanced Industrial Science and Technology |
Principal Investigator |
金 賢夏 独立行政法人産業技術総合研究所, 環境管理技術研究部門, 研究員 (20356893)
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Keywords | 低温プラズマ / VOC / 触媒 / 吸着 / 酸素プラズマ |
Research Abstract |
本年度では、低温プラズマ駆動触媒システム(以下PDC)を用いたVOCの分解における最適運転条件について検討した。PDC反応器に投入する比エネルギーがおよそ100J/Lを超えると窒素酸化物の生成量が急増するため、副生成物の抑制を考慮した最適比投入エネルギーは100J/L以下にすることが望ましいことがわかった。プラズマの印加によるPDC反応器の温度上昇は比投入エネルギーと直線関係にあることを明らかにした。また、反応ガス中の酸素濃度に対するPDCシステムに用いる触媒の種類ごとの挙動についても検討した。酸素濃度が触媒活性向上に与える影響を評価するため、性能向上係数を導入した。酸化チタンは酸素濃度増加による分解効率向上の度合いがアルミナとゼオライトに比べ2-3倍程度大きいことを明らかにした。しかし、担持した活性金属触媒の影響については、酸化チタンやアルミナよりゼオライトで顕著に現れた。Y型ゼオライトに銀(Ag)触媒の担持量を大きくすると、VOCの分解効率だけではなく、CO2の選択率と炭素収支が大きく改善することを明らかにした。Pt/アルミナ触媒単独では酸素濃度の増加による分解効率の改善効果は少ないが、ゼオライト触媒とPt/アルミナ触媒を物理的に混合することにより、VOCの分解効率を維持しながらCO2の選択率を向上することができた。酸素プラズマによる吸着VOCの分解は酸素プラズマの温度条件に影響されず、VOCの分解量が比投入エネルギーに依存することも明らかにした。また、吸着と酸素プラズマを用いるVOC分解もPDCシステムと同様に、初期濃度が高くなるほどVOCの完全分解に必要な相当比投入エネルギーが高くなることがわかった。これらの結果より、PDCシステムおよび吸着-酸素プラズのサイクルマシステムが有効に利用できる運転条件(VOCの濃度と流量)に対する指針を得た。
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