2004 Fiscal Year Annual Research Report
有風下の火災域下流に発生する火災旋風の発生メカニズムに関する実験研究
Project/Area Number |
16681013
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Research Institution | National Research Institute of Fire and Disaster. |
Principal Investigator |
篠原 雅彦 独立行政法人消防研究所, 基盤研究部・火災研究グループ, 研究員 (70371169)
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Keywords | 火災旋風 / 旋風 / 火災 / 有風 / 渦 / 横風 / 旋回 / 火災 |
Research Abstract |
本研究1年目は,実験に用いる燃焼実験用低速風洞の設計・製作・調整に予想外の長い期間を費やした.この風洞は吹出型開放風洞であり,主に1m/s以下で使用することを目的に製作した.特に,実験では測定部床面から火炎を噴出させて,測定部の床の下からレーザードップラー流速計で旋風の発生周期を測定する必要があるため,測定部の床は透明な耐火硝子を使用した.測定部は高さ50cm×幅50cmである.最初に,風洞計測部の速度場,乱流強度等の特性を調べた.その後,この風洞を用いて予備的な実験を行った.風洞測定部でガスの吹き出し部が直径3cmのステンレス製の多孔質バーナーからメタンガスを噴出させ横風をあてた.バーナーはその上面を床面と同じ高さとした.火炎の風下の床面上に設置したスモークワイヤーから出る煙で気流を可視化した結果,メタンガス火炎風下においても,これまでにメタノール火炎風下で観察したのと同様の旋風が発生すること,風速が低いときにできる旋風は火炎のすぐ風下でとどまって回転を続けること,火炎風下の床面上には壁面渦対(火炎の上昇気流中に形成されるCounter rotating vortex pairと床面の間に形成される)が発生すること,壁面渦対は床面からはがれ垂直方向に傾きながら流れ去ることがある,ことなどを観察した.現在,横風の風速,燃料供給速度,バーナー径を変えて,発生する旋風の形態の変化や,旋風の発生限界について実験中である.
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