2005 Fiscal Year Annual Research Report
有風下の火災域下流に発生する火災旋風の発生メカニズムに関する実験研究
Project/Area Number |
16681013
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Research Institution | National Research Institute of Fire and Disaster. |
Principal Investigator |
篠原 雅彦 独立行政法人消防研究所, 基盤研究部火災研究グループ, 研究員 (70371169)
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Keywords | 火災旋風 / 旋風 / 火災 / 有風 / 渦 / 横風 / 旋回 / 火炎 |
Research Abstract |
開放型吹出風洞によって作った横風中に,床面に埋め込んだ直径30mmのバーナーからメタンガスを4L/minで噴出させ,バーナー上に火炎を形成させ,その火炎風下に発生する竜巻状の空気の渦柱である旋風を調べた.その結果以下のことが分かった.1)横風風速0.13〜0.37m/s(レイノルズ数262≦Re≦727)の範囲で,旋風の発生周波数は0.3Hzから4.2Hzの範囲であり,風速の増加にともなって増加する傾向であった.ストローハル数をSt=fwD/U_6(ただしU_0は横風風速,fwは旋風発生周波数,Dはバーナー直径)として求めると,旋風のSt数は0.05から0.42の範囲となる.これは同じRe数領域の円柱後流St数や,3800≦Re≦11400の範囲でかつ噴流と横風の速度比が2から10の範囲内での円形噴流の後流のSt数に比べて変化の幅が非常に大きい.2)横風中の火炎のフリッカリング周波数は6Hzから10Hzの範囲であった.これは旋風の発生周波数とは一致しないし,横風風速に対する両者の周波数の変化傾向も一致しない.3)風洞のテストセクションの床面をはずし,後流領域が現れない薄い円形セラミック板を横風内に細い金属線で固定して,この上にエタノール火炎を形成させたところ,この火炎風下には旋風は発生しなかった.このことから,火炎風下の旋風の発生には,火炎と横風だけでなく,床面(地表面)が必要なことが分かった.つまり,火炎風下に発生する旋風は,火炎・横風・地表面の存在によってできる流れによって形成されていることを明らかにした.
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