2005 Fiscal Year Annual Research Report
超好熱始原菌における"missing gene"の同定と機能検証
Project/Area Number |
16681016
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
福居 俊昭 東京工業大学, 大学院・生命理工学研究所, 助教授 (80271542)
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Keywords | 超好熱菌 / 始原菌 / アーキア / ゲノム / Missing gene / 機能未知遺伝子 / 遺伝子破壊 / トランスポゾン |
Research Abstract |
90℃以上でも生育可能な超好熱菌は特異な代謝系を有している。興味深いことに、これら超好熱菌においては生育に必須な機構や代謝を構成する遺伝子群がそのゲノム中に見いだされても、その一部は相同性解析から全く同定できない"missing gene"となっているケースが多い。申請者らは超好熱始原菌Thermococcus kodakaraensis KOD1株について独自に全ゲノム解析を行うとともに、相同性組換えによる形質転換系を確立して遺伝学的解析を可能とした。本研究では、T.kodakaraensis 2.09Mbpゲノム上に散在する"missing gene"の同定と機能検証を進める。 今年度は、機能未知遺伝子の機能同定に有効であるものの、超好熱菌ではこれまで例のないトランスポゾンによるランダム変異ライブラリーの作製を試みた。超好熱菌P.furiosus由来の推定トランスポザーゼ(TPase)遺伝子を利用し、T.kodakaraensisトリプトファン要求性株におけるtrpEマーカーの転移を試みたところ、形質転換体2株を単離した。しかしtrpEマーカーはプロモーター領域における相同性組換えにより染色体に挿入されていることが判明した。一方、好酸好熱菌S.solfataricusより細胞内転移活性を有する耐熱性TPase遺伝子9個のクローニングに成功した。今後は新たなTPase遺伝子や高発現プロモーターの利用について検討し、超好熱菌におけるトランスポゾン変異の確立を目指す。 また、T.kodakaraensisキチン代謝経路において"missing gene"であったグルコサミン-6リン酸デアミナーゼは、本菌のキチン代謝遺伝子クラスター内に存在する機能未知遺伝子TK1755によりコードされることを明らかにした。また本菌のヒスチジン生合成経路に見出されなかったヒスチジノールリン酸ホスファターゼについて、2つの推定加水分解酵素遺伝子の産物がともに当該酵素活性を示すことを見出した。
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Research Products
(4 results)