2004 Fiscal Year Annual Research Report
科学分野への女子のアクセス拡大に関する研究-高校における文理選択に注目して-
Project/Area Number |
16681021
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Research Institution | Yamagata University |
Principal Investigator |
河野 銀子 山形大学, 教育学部, 助教授 (10282196)
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Keywords | 科学 / ジェンダー / 高校における進路選択 / 理科教育 / 教育課程(文系理系) |
Research Abstract |
科学分野の職業に女性が少ない要因の1つとして、大学の理系学部に女子が少ないことがあげられる。ではなぜ、理系学部に女子が少ないのか。その背景を探るため、高校における進路選択に関する質問紙調査を、大学生を対象として実施した。調査の概要は以下の通りである。 *調査項目など;(1)大学生活の満足度(友人関係、勉学、趣味)、(2)卒業した高校について(設置者、共学・別学、4年制大学への現役進学率)、(3)高校時の所属クラスやクラスを選択する時点で重視したこと・迷い)、(4)高校での履修科目や科目の好き嫌いなど。 *調査方法など;2004年7月、X大学(総合大学)の1〜3年生の学生を対象に、14人の授業担当者が教室での留め置き法で実施。2,353人から回答を得た。 *サンプル構成;回答者の主な属性は次のようであった。 (1)性別;女子24.6% 男子75.4% (2)学年;1年生38.4% 2年生31.4% 3年生24.6% (3)居住;自宅生13.0% 自宅外87.0% 本調査の結果から、高校における教育課程は多様化しているといわれるものの、回答者の95%は「理系・文系」という類型・コースに所属していること、約7割が高1終了までに類型・コースの意思決定をし、高2段階で実際に分かれていることが明らかとなった。また、類型・コースの選択時に、女子は男子以上に「迷い」を感じていること、「理系・文系」の選択に当たっては、女子が理系選択しようとする場合に周囲がネガティブに捉えている実態や、男子に対しては理系選択を促すような働きかけがあること、などが明らかになった。調査結果の詳細は、報告書(印刷物)にまとめた。 また、英国で20年以上にわたって続いているWISE(Women Into Science and Engineering)等に関する訪問調査も実施し、企業と大学が女子の科学分野へのアクセス拡大に対して実施しているプログラムや実施状況、成果などについて情報を得た。
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