2004 Fiscal Year Annual Research Report
元素合成に関わる超低エネルギー原子核反応の直接測定
Project/Area Number |
16684006
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Research Institution | The Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
西村 俊二 独立行政法人理化学研究所, 本林重イオン核物理研究室, 先任研究員 (90272137)
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Keywords | 不安定核 / 元素合成 / 低エネルギー原子核反応 |
Research Abstract |
超新星爆発や中性子星の合体において、急速な元素合成(r過程)が進んだと考えられる。R過程の必要条件である中性子高密度状態に重大な影響を与える反応経路^8Li(α,n)^<11>Bの実験装置の開発を終了した。いよいよ2005年3月に最初の低エネルギー^8Li(α,n)^<11>B実験を実施する。 1.非常に薄い半導体層(1μ^t)と半導体層(500μm^t)の2重構造を特長とするMonolithic半導体検出器の性能試験と最適化を行った。α線源および低エネルギー原子核(^<11>B,^8Li)を利用し、粒子識別能力およびエネルギーと入射角度依存性を調べた。我々の目標とする超低エネルギー原子核の測定に非常に威力を発揮することを確認した。この極薄半導体チップの不感領域を減らすため、カラエボ基盤とボンディング設計を完了させる。 2.セグメント化した液体シンチレーション検出器(6台)を製作した。バックグランド(γ線)に対する中性子の高精度識別能力および、高検出効率を確認する。 3.中性子を効率的に測定するための小型ガス標的チェンバーを製作した。ガス標的(^4He)の圧力コントロールシステムを導入した。非常に薄いガス窓(Ni泊、マイラー膜)の耐圧試験に成功した。 4.低エネルギービーム測定のために、薄膜を利用したMCP検出器を製作した。さらに位置検出型MCP検出器の設計を完了させた。 5.原子核反応において放出されるγ線エネルギー測定用NaI(Tl)検出器の導入を進めた。 6.Monolithic半導体検出器の性能を十分に発揮させるために、ノイズ対策用の半導体サポート基盤、シールドケーブル、シールドボックスを製作した。さらに半導体検出器をトリガーに入れるために光ファイバーDelay回路の導入を行った。
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Research Products
(6 results)