2004 Fiscal Year Annual Research Report
有機無機ハイブリッド液晶:異方性単分散無機微粒子の液晶化による複合デバイスの開発
Project/Area Number |
16685018
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
蟹江 澄志 東北大学, 多元物質科学研究所, 助手 (60302767)
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Keywords | 液晶 / 単分散微粒子 / 有機無機ハイブリッド / 酸化鉄 / ナノ粒子 / 磁性粒子 / 超格子 |
Research Abstract |
本申請課題では,有機合成により得られる有機液晶と"ゲル-ゾル法"により得られる異方性単分散無機微粒子とをナノレベルでハイブリッド化して"有機無機ハイブリッド液晶"をあらたに創成することを目的としている.両者の異方性や刺激応答性の融合することができれば,電場・磁場・光・熱などの刺激に対して複合的かつ高速に応答するハイブリッドナノデバイスの開発につながることが期待できる.本年度の研究概要は以下のようである. 1.異方性単分散酸化チタン微粒子とアミノ基を有する有機液晶性分子とのハイブリッド化による有機無機ハイブリッド液晶の創製 単分散微粒子作製技術であるゲル-ゾル法により,異方的な形状を有する単分散酸化チタン微粒子の合成を行った.形態制御剤としてアミノ酸を用いることにより回転楕円体状の微粒子を効率よく合成する手法を開発した.また,形態制御剤の量および初期pHを制御することにより,その粒径制御が可能であることを見出した.さらに得られた酸化チタン微粒子と別途調製したアミノ基を有する有機液晶とを混合すると両者はナノレベルでハイブリッド化し,微粒子がサーモトロピック液晶状態を形成することが明らかとなった.液晶性の発現には用いる酸化チタン微粒子の形状異方性および単分散性が鍵であることが明らかとなった. 2.異方性単分散ヘマタイト微粒子とリン酸基を有する有機液晶とのハイブリッド化による有機無機ハイブリッド液晶の創製 磁性微粒子の有機無機ハイブリッド液晶化を目的として,ゲル-ゾル法により得られる単分散ヘマタイト微粒子に着目し,その有機無機ハイブリッド液晶化の検討をおこなった.リン酸基を有する有機液晶性分子とハイブリッド化することでヘマタイト微粒子にサーモトロピック液晶性を付与することに成功した.
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