2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
16685022
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Research Institution | Tokyo Metropolitan University |
Principal Investigator |
山登 正文 首都大学東京, 都市環境学部, 准教授 (40244420)
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Keywords | 相分離 / 磁場 / 高勾配磁場 / 磁場配向 / 磁気力 |
Research Abstract |
高分子の相分離構造制御への磁場効果について検討を行った.鉄とアルミニウムの積層体上でPMMAとPVDFの均一溶液を磁場印加しながらキャストすることによりPMMAとPVDFの相分離構造がライン状に配列することに成功した.これにより強磁性体の積層パターンを変化させることで多彩な相分離構造パターンを得ることが可能であることが示唆された.次年度はさまざまなパターンを用いてこのことを確認する予定である.また,このような挙動の理解には高分子の磁化率のデータが必要であるが非磁性物質である有機物の磁気的性質はほとんど報告がない.これらのデータを測定し,蓄積していく予定である. 非晶・液晶ジブロック共重合体についても磁場効果を検討した.液晶成分が容易に磁場配向し,巨視的な配向が得られた.加えて,磁場配向により濁度が大幅に減少し,透明な材料となった。光学材料としての利用が期待される.また.ミクロ相分離構造が磁場により配向することを見出した.得られた構造は磁場印加によりその周期構造が変化するという知見も得られた.ナノスケールの構造制御手法として磁場が有効であることが示唆された. 大きな磁場効果をえるためにユーロピウムやガドリニウムなどを含む常磁性高分子の合成について検討中であるが,未だ成功しておらず,次年度も継続していきたい.さらに強磁場中でのパターン形成加熱装置の開発もあわせて継続する予定である.
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