2005 Fiscal Year Annual Research Report
ヘテロバレント・ヘテロポリタイプSiC上III族窒化物結晶成長の総合的理解と制御
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16686002
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
須田 淳 京都大学, 工学研究科, 講師 (00293887)
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Keywords | 窒化アルミニウム / 分子線エピタキシー / シリコンカーバイド / 無極性 / 成長機構 / ヘテロエピタキシー |
Research Abstract |
AlN/SiCヘテロポリタイプ系で最も興味深い、SiC基板のポリタイプ情報が基板表面に露わになっている、無極性面方位上のヘテロエピタキシーに取り組んだ。この系は、ヘテロポリタイプ系のポリタイプ決定機構の中核となるだけでなく、内部電界フリーな無極性ナイトライド紫外領域超高効率発光デバイスへの応用も期待され、この研究トピックが最近極めて注目されている研究トピックであり、理学的・工学的両方の面から重要であったので、このトピックに集中して研究を進めた。成長初期の横方向成長がポリタイプ情報の基板から成長層への転写を阻害する要因と突き止め、SiC基板表面の原子レベルでの超平坦化処理と清浄化を行い、また、AlNの成長条件を最適化することにより、SiC基板ポリタイプ情報のほぼ完全な転写に成功し、世界で初めてほぼ完全な4Hポリタイプを有するAlNを実現することに成功した。この結晶は、透過電子顕微鏡およびX線回折測定による欠陥解析によると、極めて結晶欠陥が少なく、本研究で得られた技術は、デバイス応用上でもデバイスの高性能化に大きく寄与する基本技術である。新規な結晶である4H-AlNの物性評価、AlN/SiCヘテロポリタイプ系における、アイソポリタイプ化の提案など、理工学両面で大きな前進が得られた。
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