2006 Fiscal Year Annual Research Report
ヘテロバレント・ヘテロポリタイプSiC上III族窒化物結晶成長の総合的理解と制御
Project/Area Number |
16686002
|
Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
須田 淳 京都大学, 工学研究科, 講師 (00293887)
|
Keywords | AlN / SiC / GaN / MBE / ポリタイプ / エピタキシャル / 界面 / 欠陥 |
Research Abstract |
ヘテロバレソト・ヘテロポリタイプな系である、AlN/SiCヘテロエピタキシャル成長についての系統的な研究を行った。無極性面方位に関しては、(1-100)面、(11-20)面を対象に研究を行った。4H-SiCを用いた場合に、SiCの4層周期の積層構造がAlNに転写され、AlNは4H構造を持つことが明らかになった。SiC表面の原子レベルの平坦化とAlN成長条件の最適化を行うことで、きわめて欠陥の少ない4H-AlNを成長することに成功した。無極性面方位に関しては、成長条件を適切に設定することで、本来ヘテロポリタイプであるAlN/SiC系をアイソポリタイプ化し、結晶欠陥を大幅に低減できることが明らかになった。このアイソポリタイプAlNをテンプレートとして、デバイス応用上重要なGaNの成長を行った。広範囲な成長条件の検討を行ったが、GaNのポリタイプは熱力学的に安定な2H構造になってしまうことが判明した。AlN/GaNの格子不整合がAlN/SiCの倍以上であることや、GaNそれ自体が4H構造となった場合エネルギー的に不安定になることが原因として考えられるが、現時点では不明である。2H構造GaNは4H構造AlNほどは高品質ではないが、他の無極性基板と同等の品質のものが得られることは確認している。極性面については、SiCのステツプェツジに起因する欠陥の極限までの低減を目指して研究を進めた。ウエハーレベルでのSiCのステップエッジの高さ制御技術をほぼ確立し、6H-SiCにおいてステップ高さ6層に制御した基板を作製し、この表面上にAlNを成長し、結晶欠陥の低減を確認した。
|