2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
16686007
|
Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
小野 崇人 東北大学, 大学院・工学研究科, 助教授 (90282095)
|
Keywords | 磁気共鳴力センサ / マイクロマシニング / 水晶 / 走査型プローブ顕微鏡 / 磁気共鳴 / Q値 / 圧電材料 / ナノ加工 |
Research Abstract |
本研究ではナノ構造の加工技術とナノ構造における特異な力学現象を利用し、大気中、室温で動作する新しい磁気共鳴力顕微鏡を実現することを目標としている。さらに、この磁気共鳴型の顕微鏡に新しい動作原理を取り込み、微小な生物試料の3次元ナノイメージング機能を有する顕微鏡を開発する。 この技術ができると、様々な応用が拓ける。例えば、細胞1個レベルで、薬剤がどのように輸送され、その薬剤が細胞内でどのように化学変化が起きるかなどを、細胞レベルの3次元イメージから追跡することができる。このような技術は、将来の医療と新薬開発に大きく貢献すると考える。また、科学計測のツールとしては、走査型プローブ顕微鏡に物質を同定する機能を付与することもできる。将来の原子核スピンを利用した量子コンピューターなど、単一の核スピンを利用するデバイスにも利用できる。 本年度は圧電振動子を開発し、その特性を評価した。圧電半導体技術をベースとした加工技術では、基板を加工して微細構造を作製する。圧電材料をナノ加工する技術等は、すでに開発しているので、付加的に張り合わせて薄くする技術などを新たに開発する。材料としては、水晶について検討した。前述したようにQ値を大きくするために、申請者等が開発した手法、つまり表面処理によりQ値を極めて大きくできる構造とした。具体的な処理方法としては、真空中で様々なイオンをマスフィルターを通してナノ振動子に照射して表面処理する。その際の振動子の応答を調べ、最適な表面処理状態にする。これらに関する基礎的な実験も行った。 作製した水晶の振動方力センサの力感度を測定したところ大気中で10^<-13>Nの微弱な力を検出できることを確認した。また、走査型プローブ顕微鏡としての動作も確認した。この新しいセンサのより高感度化を目指し、3次元イメージングに応用する。
|
Research Products
(6 results)