2005 Fiscal Year Annual Research Report
赤外エバネッセント光による次世代半導体ウエハ機能薄膜のナノ欠陥計測法に関する研究
Project/Area Number |
16686009
|
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
高橋 哲 東京大学, 大学院・工学系研究科, 助教授 (30283724)
|
Keywords | エパネッセント光 / 近接場光 / 半導体機能薄膜 / 膜厚計測 |
Research Abstract |
本研究は,次世代半導体機能薄膜層の微小欠陥の計測技術の開発を行うものである.具体的には,エバネッセント光を半導体機能薄膜層に適用した際に得られる近接場光応答を数10nm程度の微小開口を有するファイバプローブ探針を用いて計測することで,従来の遠隔伝搬光に基づく光計測では検出困難なナノスケールの欠陥情報を取得する,という今までにない全く新しい欠陥計測技術の開発をめざすものである. 平成17年度は以下の研究課題の達成を行った. ●半導体機能薄膜表面エバネッセント場計測光学系の設計・構築:機能薄膜付ウエハは静電容量変位センサ内蔵ピエゾ駆動XY軸ステージに設置し,近接場光学顕微鏡用ファイバープローブ探針をピエゾ駆動Z軸アクチュエータにより,上方より接近させ,探針微小開口部における局在エバネッセント場の伝搬光変換を行う.変換伝搬光はファイバを介して高感度赤外検出モジュールにより検出され,その電気信号は2位相ロックインアンプにより高S/N処理される. ●半導体機能薄膜表面エバネッセント場の基礎計測実験:上述のエバネッセント場の生成光学系と計測光学系を融合し,半導体機能薄膜ナノ欠陥計測システムを構築,基準ウエハに対するエバネッセント場の検出実験を試みた.ここでは,ナノインプリントにより生成した100nm以下の厚さの極薄薄膜に対して近接場光応答の検出を試みた.その結果,検出される応答は,膜厚により大きく変化することが確認された.これは,薄膜欠陥の代表例である厚さ異常を10nmスケール以下の感度で検知可能であることを示唆するものである.エリプソメータを用いても膜厚の計測は可能であるが,半導体機能薄膜のように,横方向にサブマイクロメートル以下の分解能が要求される場合,エリプロメータ等の従来膜厚計測技術は適用不可能であり,原理的に面内分解能が高い提案開発研究の妥当性・有効性を,基礎実験により確認することができた.
|
Research Products
(6 results)