2004 Fiscal Year Annual Research Report
アークプラズマコンビ法による新しい薄膜金属ガラスの超効率的創成とその加工
Project/Area Number |
16686010
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
秦 誠一 東京工業大学, 精密工学研究所, 助手 (50293056)
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Keywords | コンビナトリアルマテリアル法 / 微細加工 / 薄膜 / アモルファス / 金属ガラス / 集積化ライブラリ / 物性 / アークプラズマ |
Research Abstract |
(1)アークプラズマコンビ装置の開発 アークプラズマ成膜装置を改造し,ターボポンプによる迅速な排気,最大9つのカソーディックアークプラズマガンを搭載可能とし,プラズマ集束用永久磁石を搭載することにより,アークプラズマコンビ装置を製作した.つぎにPdCuSi系金属ガラスの各構成元素ごとの成膜領域,膜厚分布,カソード寿命など基礎的なデータを取得した. (2)抵抗率評価用機能化評価基板の作成 機能化評価基板の具体例として,成膜した薄膜の抵抗率を迅速に評価する機能を有する基板を作成する.本年度はガラス基板上に1mm角のサンプル群を33×33個製作することができる集積化ライブラリ用基板を考案,製作した. (3)PdCuSi系薄膜金属ガラスの抵抗率最適化 アークプラズマコンビ装置の実効性を評価するために,PdCuSi系の薄膜金属ガラスの抵抗率を最低とする組成最適化を以下の手順で行った. ・集積化ライブラリ用基板上に,組成が連続的に変化した薄膜を,アークプラズマコンビ装置により成膜する. ・膜厚をレーザ干渉計,非晶質性をイメージングプレート回折装置により,集積化ライブラリ用基板上に成形したサンプルごとに確認する. ・非晶質の各サンプルを,EDSにより組成を同定する. ・マイクロプローブを用いた四探針法により,電気抵抗の相対値を測定し,電気抵抗の低い非晶質サンプルを決定する. ・上記プロセスで同定した組成のターゲットを製作し,スパッタによりサンプル薄膜を作製し,DSCでの過冷却液体域の確認を行う. 本方法により,従来のPdCuSi系薄膜金属ガラスに比べ,抵抗率が10%低く,過冷却液体域(非晶質の安定性と相関あり)が約2倍の組成を発見することに成功した.(組成等の詳細は,現在特許出願準備中につき,省略する.)
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