2005 Fiscal Year Annual Research Report
テザー宇宙ロボットの微小重力下における姿勢制御手法の構築
Project/Area Number |
16686013
|
Research Institution | Kagawa University |
Principal Investigator |
能見 公博 香川大学, 工学部, 助教授 (20325319)
|
Keywords | テザー宇宙ロボット / 微小重力実験 / 姿勢制御 / 機構開発ソフトウエア / 軌道上シミュレータ / 運動解析 |
Research Abstract |
テザー宇宙ロボットのキーテクノロジーは,テザー張力下におけるロボットの姿勢制御手法である.本研究では,機構的にテザーの張力変動(挙動)に対応でき,高精度姿勢制御が可能な装置を開発し,その装置に適用できる制御手法を確立することを目的としている. アームとベースから構成されるロボットについて,アクチュエータである二個のモータを両方ともベース上に固定する機構を二種類開発した.さらに,航空機および落下施設による微小重力実験を実施し,それぞれの機構について動作検証・評価を行った.第一は差動歯車機構を用いるものであり,これはアーム動作二軸が対象ではなく,モータに沿う軸の慣性モーメントが大きいこと,軸によりアームを回転させる方法が異なるためその動作は制御即およびモータ性能にも大きく依存すること,が特徴である.この特徴は実験結果にも現れ,慣性モーメントの大きい軸回りの姿勢変動が大きく(他軸への外乱もこの軸に吸収される傾向がある),制御効果も大きいことが分かった.第二は他リンク機構であり,アーム動作二軸が対象である.実験結果においても,姿勢制御効果は二軸同等に現れていることが分かった. また,宇宙実環境での実用性を検証するために,軌道上シミュレータを開発している.数値シミュレータは,テザーを弦要素としてモデル化し,伸展回収時に大変位・大変形を伴うことを考慮して運動解析手法を構築する.張力が微小になる宇宙空間では,弦の運動解析に線形有限要素法の適用はできず,テザーの大変位・大変形に対応するモデリングならびに定式化を必要とする.モデル構築は,(1)平面一定長さテザーのモデルからはじめ,(2)長さ変化に対応するモデル,(3)空間運動が可能なモデル,へと発展させる.現在までに,(2)まで完了しており,微小重力実験との比較シミュレーションを実施中である.
|
Research Products
(2 results)