2004 Fiscal Year Annual Research Report
超高速成膜法を利用した高エネルギー積・サブミリ厚磁石膜の開発とその応用
Project/Area Number |
16686022
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
中野 正基 長崎大学, 工学部, 助教授 (20274623)
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Keywords | Nd-Fe-B磁石 / 磁石厚膜 / 高速成膜 / 保磁力 / 残留磁化 / (BH)max / YAGレーザ / PLD法 |
Research Abstract |
本学に既存のパルスYAGレーザ装置は、1パルスあたりのエネルギーが最大で300mJ程度であるのに対し、本年度の予算を用い購入した「高エネルギーYAGレーザ」はそのエネルギーが350〜400mJ程度まで増加できるものである。すなわち、本レーザ装置を用い、既報の磁気特性を保ちつつ、より高速な成膜速度下で「Nd-Fe-B厚膜磁石」を作製すること本年度最初の研究の計画とした。そこで、YAGレーザ装置を用いた磁石膜作製装置の再構築に本年度の大半の時間を費やした。 更に、本年度末、上述した新規の厚膜磁石成膜装置により作製したNd-Fe-B厚膜磁石の「磁気特性」・「微細構造」などを以下の装置を用い評価・観察を行った。 @磁気特性の評価(本研究室既存:VSM装置) @結晶構造の測定(本学既存:X線回折装置) @微細構造の観察(本学既存:SEM,TEM) @組成分析(本学既存:ESCA,他機関:ICP) その結果、従来の手法同様な成膜プロセスは確立できたものの、基板から剥離した試料もより多く同時に観測された。この原因について、来年度以降より詳細に検討する必要があるものの、現在のところ、基板上に成膜された膜内部の歪応力の増加によるものと考えられる。 剥離を起すことなく得られた膜の代表的な磁気特性として、保磁力は800kA/m程度の優れた値が得られた。しかしながら、残留磁化に関しては既報のものと同等もしくは若干減少する傾向が見られ、この結果についても、「基板加熱の導入」・「交換スプリング磁石への展開」等も鑑みて、来年度以降の課題として残された。
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Research Products
(1 results)