2005 Fiscal Year Annual Research Report
超高速成膜法を利用した高エネルギー積・サブミリ厚磁石膜の開発と応用
Project/Area Number |
16686022
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
中野 正基 長崎大学, 工学部, 助教授 (20274623)
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Keywords | 磁性 / PLD法 / 磁石厚膜 / 高速成膜 / エネルギー積 / ミリサイズモータ / ドロップレット / YAGレーザ |
Research Abstract |
本年度は昨年度構築した「高エネルギーYAGレーザを用いたNd-Fe-B磁石膜作製装置」を利用し、以下の実験結果を得た。 (1)本年度導入した基板加熱装置も同時に駆使し、異方性Nd-Fe-B厚膜磁石を実現した。その成膜手法は、「連続基板加熱成膜」・「連続遮断基板加熱成膜」と名付け、特に連続基板加熱成膜においては40μm厚試料において、(BH)_<max>:130kJ/m^3を超える値を実現した。加えて、上記の方法により、100μm厚程度の厚膜化も実現した。これらの新規な実験結果は、既に論文2本として投稿し査読審査も終了しており、来年度掲載される予定である。 (2)本研究の当初の目的である、「より高速な成膜速度下での試料の作製」も着手し、現在のところ90μm/hに至るまでの値を実現しており、来年度中に100μm/h超える超高速な成膜速度を実現できるめどをたてた。加えて、本試料の作製においては、「基板のそり」に着目し、成膜後の剥離などの機械的な劣化も抑制できていると共に、その磁気特性も既報の成膜速度20-40μm/h程度で作製した試料のものとほぼ同程度の値を示すことが明らかとなった。この結果については、来年度6月にスペインで開催されるヨーロッパ最大の磁気の会議で本代表者がポスター発表する予定である。 (3)(2)で述べた超高速成膜の条件を利用し、最大1mm程度まで厚さの試料を実現した。その際、機械的・磁気的な特性の劣化も観測されないことを確認している。この厚手の磁石膜は、摩擦駆動を利用した新規なミリサイズモータへ応用し、本年度11月に浜松市で開催された「粉末冶金協会」にて報告したと共に、来年度6月にスペインで開催されるマイクロマシンの国際会議にて本代表者が口頭発表する予定である。
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Research Products
(3 results)