2005 Fiscal Year Annual Research Report
仕事関数制御透明電極を用いたトップエミッション超高寿命高効率有機ELディスプレイ
Project/Area Number |
16686023
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
平山 昌樹 東北大学, 未来科学技術共同研究センター, 助教授 (70250701)
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Keywords | プラズマ / プラズマCVD / マイクロ波 / 有機EL / シリコン窒化膜 / 保護膜 |
Research Abstract |
昨年度に引き続いて、2段シャワープレート構造マイクロ波励起高密度プラズマ技術を用いて、CVD法により50nm程度の薄膜でも不純物の透過が全く無く、ピンホール・ボイドが存在しないSi_3N_4保護膜を室温で形成する技術の開発を行った。成膜前にAr/NH_3マイクロ波プラズマによる基板表面のクリーニングを施すとともに、成膜中に基板に0.03〜0.05W/cm^2の高周波バイアスを印加すると、基板表面へのイオン照射により膜質が大幅に改善されることが明らかになった。水分等の不純物の透過が全く無いだけでなく、7.6MV/cm程度の非常に高い耐圧を有する高品質Si_3N_4膜を、70nm/min以上の速度で形成することに成功した。また、Si_3N_4CVD成膜に代表される安定なプラズマ励起が困難なプロセスにおいても、2m角を越える超大型ガラス基板上に極めて均一で安定した高密度プラズマを励起することが可能なプラズマ装置の開発に世界に先駆けて成功した。このマイクロ波プラズマ装置は、本研究終了後の平成18年度に早くも東京エレクトロン株式会社にて実用化、販売されることが決まっている。本研究で開発したSi_3N_4膜のCVD成膜技術を保護膜として用いることにより、有機ELディスプレイの輝度むらを1/10以下に低減するとともに、寿命および信頼性を大幅に向上させることに成功した。さらに、薄膜トランジスタのゲート絶縁膜として用いることにより、液晶ディスプレイ、有機ELディスプレイの輝度のダイナミックレンジや応答速度を飛躍的に改善することが可能なことを明らかにした。有機ELディスプレイの寿命および効率を制限している要因として、各薄膜界面の未制御層の存在、および電子注入層と発光層中の不純物が大きく関わっていることが明らかになった。これらの問題を抑制するための製造技術の開発を行い、大きな成果を得ている。
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