2004 Fiscal Year Annual Research Report
斜面崩壊土砂移動を予測するための流体力学的解析手法に基づく大変形解析
Project/Area Number |
16686030
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Research Institution | Gifu University |
Principal Investigator |
沢田 和秀 岐阜大学, 工学部, 助手 (30273121)
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Keywords | CIP手法 / 大変形解析 / 土砂流動 / ステレオ写真測量 / 室内試験 |
Research Abstract |
CIP(Constrained Interpolation Profile)手法を用いて、流動する土砂などの地盤材料の大変形挙動を数値解析により再現した。CIP手法は、多層流体場に有効な流体力学的解析手法である。これまでCIP手法を用いて土の流動をシミュレートしてきたが、土と空気の材料特性の違いによって境界が明確に表現できなかった。この問題を解決するために、解析手法の土と気体の境界モデルの最適化を行うことを目的とし、豊浦砂を用いて流動実験を行った。 土砂流動を再現するために斜面モデルを作成し、室内土砂流動試験により、待ち受け壁が土砂流動により受ける土圧を計測した。室内試験と同条件の数値解析を行うことにより、数値解析の精度を検証した。数値解析では、斜面モデル実験の結果について、流動形状・流動衝撃力とも非常によく表現できた。流動形状の把握にはビデオカメラを用いた。 上記のCIP手法を用いた数値解析手法により、実際に起こった土砂大移動現象を数値解析により再現し、解析手法の精度検証を行った。まず、実際の斜面形状のデジタルデータを把握するために、デジタルステレオ写真3次元形状解析システムを開発した。ステレオ写真測量の原理を用いて、CIP解析に効率よく使用できるように、プログラムコードを開発した。安価なデジタルカメラを用いたこの手法を用いれば、光学測量とほぼ同等の精度の測量が可能であることを検証した。本年度は実際に測量した斜面データを用いなかったが、実際に斜面流動が起こった事例に対して数値解析を行った。2次元条件下での数値解析であったが、斜面の実際の流動速度、流動距離は実現象をおおむね表現できた。 今後は、土と空気の材料特性の違いによる境界を明確に表現できるように、実現象との比較を行いながら、解析手法の高度化を行う。
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Research Products
(3 results)