2005 Fiscal Year Annual Research Report
ダンプビルディングの構造解明と微生物学的化学的影響を連成した数値予測モデルの開発
Project/Area Number |
16686035
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Research Institution | Tokyo Polytechnic University |
Principal Investigator |
伊藤 一秀 東京工芸大学, 工学部, 助教授 (20329220)
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Keywords | ダンプビルディング / 微生物 / 真菌 / MVOC / 比増殖速度 / カビ指数 |
Research Abstract |
研究計画に従い、以下の各項目別に研究を推進した。 1.微生物由来の揮発性有機化合物MVOCの測定 室内環境中に存在する真菌として、Alternaria alternata(NBRC31805)、Eurotium herbariorum(NBRC33235)ならびにAspergillus penicillioides(NBRC33024)、Penicillium critrinum(NBRC7784)、Aspergillus ninger(NBRC31628)の5種類に着目し、ガラスプレート上にPDAにて養分を再現し、MVOC放散量の測定を実施した。全てに共通するMVOC成分として1-Octen-3-olを検出した他、Ethanol、2-Pentanone、3-Octanol等の真菌種類に依存するMVOC成分を定量した。 2.揮発性有機化合物MVOC放散量の温湿度依存性の検討 平成16年度に引き続き、微生物反応測定装置(恒温・恒湿・ケミカルフリーチャンバー)を用いた実験により、温度ならびに湿度条件を系統的に変化させてMVOC放散量の測定を実施した。その結果、上記5種類の真菌では、相対湿度の変化がMVOC放散量に与える影響は相対的に小さいことが確認された。 3.微生物発育速度の建材依存性の解明 平成16年度は、真菌の発育速度を支配するパラメータとして温湿度に着目したが、本年は建材種類に着目して実験を実施した。微生物の生理学的性質と微生物が付着している建築材料との相互関係を解明するため、温湿度調節の可能な微生物反応測定装置を用いて、各種の室内仕上げ材料に微生物を付着させた場合の微生物の増殖速度(比増殖速度μ)、カビ指数の測定を実施した。その結果、建材表面仕上げ並びに、汚れの再現が、菌糸成長に大きな影響を与えることを確認した。
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