2004 Fiscal Year Annual Research Report
磁性ナノ粒子分散膜の磁場による結晶配向と粒子整列化に基づく3次元積層化技術の確立
Project/Area Number |
16686038
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
市坪 哲 東北大学, 金属材料研究所, 助手 (40324826)
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Keywords | 磁性ナノ粒子 / スパッタ製膜 / 強磁場 / 結晶配向 / 粒子配列 / 自己組織化 |
Research Abstract |
FePt,FePdを用いた高密度磁気記録録媒体の作製および実用化のためには,約10nm程度の規則相粒子を平面上に規則的に配列させる技術および基板に依存しない容易磁化軸(L1_0規則相のc軸)の制御法,の確立が必須である.そして,究極の磁気デバイスとしてナノ粒子の3次元規則配列化による多ビット情報の記録を考える必要がある.本研究では最終的には3次元配列に関する知見を得ることを目的としているが,まずは2次元的な磁性ナノ粒子を作製することを目指した.本年度は申請装置であるスパッタ製膜装置の設計および作製を行った.なお,この際に注意した点は,3元ターゲットであること,均一かつナノレベルでの制御・製膜のための基板-ターゲット間距離を大きく(15cm程度)とること,基板冷却装置を完備したことである.この冷却装置の目的は,主にAs-sputteredの状態で,アモルファス構造を凍結することを目的としている. 本装置のFe,Pd,ガラスや低融点金属のスパッタレートを測定し,数ナノメートルのオーダーの膜厚で積層し,同時に合金化させることにより,製膜を行った.現在のところ,ある種の金属を微小添加することにより,ナノ粒子を2次元平面内に均一分散させ,その上0.1Teslaという弱磁場であるにもかかわらず正方格子や三角格子状に整列させた膜の作製の可能性を実証した.今後は,強磁場(10Tesla)装置を用いることにより,本格的にナノ粒子を二次元的に配列させた膜の完成を早期に行い,その上で積層3次元技術への拡張を行う予定である.
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