2004 Fiscal Year Annual Research Report
新溶融塩電解法によるシリカからのソーラーグレードシリコン製造
Project/Area Number |
16686044
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
野平 俊之 京都大学, エネルギー科学研究科, 助手 (00303876)
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Keywords | 溶融塩 / ソーラーグレードシリコン / シリカ / 電解還元 / 塩化カルシウム / 高速化 / 粉末シリカ / 粉末シリコン |
Research Abstract |
850℃の溶融CaCl_2を電解質とし、各種のSiO_2接触型電極における電解還元を高度電気化学測定システムを用いて検討した。SiO_2原料の種類および形状としては、従来の高純度SiO_2板に加え、高純度SiO_2粉末をプレス成型によりペレット状とし1000℃で焼結させたものを用いた。さらに、還元速度の向上を目的として、ペレット作成時のSiO_2粉末にSi粉末を添加し影響を調べた。まず、各種SiO_2接触型電極を用いたIR補償サイクリックボルタンメトリーにより、全ての電極においてSiO_2からSiへの電解還元が示唆された。そこで、実際に定電位電解法により電解還元を行い、生成したシリコンに関して種々の分析を行った。まず、X線回折法により、電解電位0.70-1.25V(vs.Ca^<2+>/Ca)で結晶性シリコンが生成されることを確認した。また、0.35Vにおいては、Si-Ca合金が生成することを明らかにした。次に、表面および破断面を走査型電子顕微鏡および電子プローブ微小分析により分析することで、内部方向への還元の進行具合を評価した。各種SiO_2試料の密度を考慮に入れ、還元速度を比較した結果、100wt.%SiO_2の場合では、多孔質ペレット状よりも緻密板状のほうが速かった。一方、SiO_2粉末にSi粉末(5wt%もしくは10wt%)を添加することで還元速度が向上し、添加量が多い程効果が大きかった。特に、(90wt.%SiO_2+10wt%Si)多孔質ペレット状では、100wt.%SiO_2の緻密板状よりも速い結果となった。これらは、添加Si粉末により導電パスが増大したこと、および、添加Si粉末がSi結晶成長の核となったことに起因すると考えられる。
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