2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
16686045
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
吉田 寿雄 名古屋大学, エコトピア科学研究機構, 助教授 (80273267)
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Keywords | 光触媒 / メタン / 水 / 水素 |
Research Abstract |
近年,半導体光触媒を用いた高効率な水の完全分解を目指した研究が盛んであり,様々なタイプの光触媒が開発中である。また,アルコールや炭化水素などが共存するとそれらが犠牲試薬となって水素が発生することもよく知られている。メタンガスは比較的豊富な炭化水素資源であり水素資源としても注目されている。そこで本研究では,メタンを犠牲試薬とした水の分解反応を検討した。流通系光触媒反応装置に水蒸気とメタンガスを希釈ガスと共に室温付近で供給すると,水素と二酸化炭素が4:1で発生することが確認できた。これは水蒸気のみで行う場合よりも数倍の効率であった。反応式から考えても,水とメタンの双方から水素が発生していることは間違いない。同位体である重水素水を用いて酸化チタン光触媒上での反応機構の検討を行った結果,メタンから部分的に脱水素された中間体を経て反応が進行していることもわかった。さらに酸化チタン光触媒に助触媒として金属を担持すると活性は向上し,光触媒を改良することにより従来型の光触媒よりも2倍以上の活性を得ることができた。水の完全分解活性が高い光触媒が必ずしも本反応において高活性であるとは言えないことも判明した。このことは上述の反応機構にも関係があると思われる。金属の担持率には最適値が存在することがわかり,かつ,担持法によっても金属の状態が異なるために活性は強く影響を受けることも判明した。現在,さらに高活性な光触媒の開発を検討している。
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