2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
16686045
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
吉田 寿雄 名古屋大学, エコトピア科学研究所, 助教授 (80273267)
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Keywords | 光触媒 / 水素 / メタン / 水蒸気改質反応 / XAFS / 水 |
Research Abstract |
近年、半導体光触媒を用いた高効率な水の完全分解(H_2O→H_2+1/2O_2)を目指した研究が盛んであり、様々なタイプの光触媒が見出されてきた。またアルコールや炭化水素が共存するとそれらが犠牲剤となって水素が発生すること(H_2O+CH_3OH→3H_2+CO_2)もよく知られている。 メタンガスは比較的豊富な炭化水素資源でありH/C比が高いこともあり有望な水素源としても注目されている。われわれは最近、流通系光触媒反応装置にて水とメタンの反応を試みたところ、水素と二酸化炭素が4:1で生成する常温メタン水蒸気改質反応が進行することを確認した(CH_4+2H_2O→4H_2+CO_2)。この反応が理想どおり進行すれば1分子のメタンから4分子の水素が得られることになり、水素製造の物質的効率は高い。本研究では水とメタンから光触媒的に効率よく水素を得ることを目標として、本反応のための高効率光触媒の探索・開発を行い、活性の高い光触媒については、最適条件を検討し、同時に反応スキーム・反応機構を検討し、実用に向けての課題を明らかにし、触媒設計指針を得ることを目的とした。これらのうち本年度は,これまで本光触媒反応に対して最も活性の高かったランタンドープタンタル酸ナトリウム光触媒に関して,活性を著しく向上させるドーパントについて詳細をXAFS等を用いて検討した. ドーパントには,置換されるナトリウムによく似たイオン半径を持ち,かつ価数の大きなカチオンであるランタンが最も効果的であった.ドープ率を変化させると,ドープ率が十分に小さな場合にはランタンはナトリウムに置換した形で存在し,ドープ率とともに活性が向上するが,ドープ率が2%を超えると酸化ランタンに近い局所構造・電子構造をもつランタン種が形成されるようになり,それ以上の活性の向上は見られないことが明らかとなった.
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Research Products
(3 results)