2004 Fiscal Year Annual Research Report
次世代人工臓器を目指したストレス応答型リポソーム固定化分離膜・担体の開発
Project/Area Number |
16686046
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
馬越 大 大阪大学, 大学院・基礎工学研究科, 助教授 (20311772)
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Keywords | メンブレン・ストレスバイオテクノロジー / 酸化ストレス / トランスグルタミナーゼ / 膜分離担体 / 人工臓器 / 固定化 / ゆらぎ / 局所的疎水性 |
Research Abstract |
本研究課題は,ストレス応答型機能性リポソームを固定化するストレッサ制御型膜分離材料/担体を設計・開発する事を目的としている.平成16年度では,リポソームの高密度・高安定性固定化方法の確立を目標とする. まず,リポソームの熱的・化学的・酸化的ストレス応答に関して検討した結果,ストレッサとしてのROS(活性酸素種)を制御することで,脂質膜の酸化耐性が改善された.また,ストレス条件下でのタンパク質-リポソーム膜間相互作用の検討により,膜の不安定化が疎水的相互作用に支配されることが分かった.したがって,適切な脂質組成の選択ならびにリガンドを配向させる事によって,リポソームの高安定化を実現できる制御法確立の可能性を見出した.実際,リポソームをゲル担体に固定化した固定化リポソームクロマトグラフィーを用いた検討により,変性タンパク質との相互作用によるリポソームの脱離は見られなかった.これらの知見に基づき,脂質膜・(モデル)生体膜のストレス応答ダイナミクス((脂質)膜界面ダイナミクス)に立脚したリポソーム材料調製・機能発現・ストレス有効利用型プロセスの設計を目指した新領域「メンブレン・ストレスバイオテクノロジー」を提案した.この観点に基づき,酵素(トランスグルタミナーゼ)を利用したリポソーム膜と固定化担体との直接的な架橋法を検討し,熱ストレス負荷条件でのリポソーム/酵素の協同的なストレス応答ダイナミクスにより,トランスグルタミナーゼの架橋活性を制御可能であることが示唆された.
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