2005 Fiscal Year Annual Research Report
次世代人工臓器を目指したストレス応答型リポソーム固定化分離膜・担体の開発
Project/Area Number |
16686046
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
馬越 大 大阪大学, 大学院・基礎工学研究科, 助教授 (20311772)
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Keywords | メンブレン・ストレスバイオテクノロジー / 酸化ストレス / トランスグルタミナーゼ / 膜分離担体 / 人工臓器 / 固定化 / ゆらぎ / 人工酵素リポソーム |
Research Abstract |
本研究課題は,ストレス応答型機能性リポソームを固定化するストレッサ制御型膜分離材料/担体を設計・開発する事を目的としている.平成17年度では,特に,高機能リポソームの開発,ならびに,それに基づくリポソームの固定化方法の検討を目標とした. 熱的・酸化的ストレス条件下における高機能リポソームの開発について検討した.特に,リポソーム固定化担体のコア材料となる人工酵素様に働く機能性リポソームについて検討し,(i)Aβペプチドが界面にて酸化還元酵素として機能する事,(ii)酸化ストレス負荷したSODのペプチド断片が界面で酸化活性を有する事,ならびに,(iii)酸化ストレス条件下においてTransglutaminaseのペプチド断片がアシル転移反応の触媒活性を有する事を明らかにした.このようなリポソーム表層の活性は,リポソーム表層の特性(膜流動性,ドメイン形成挙動など)と密接な関連性がある事を示した.上記の知見に基づき,適切な脂質組成の選択ならびに機能性リガンドを配向させる事によって,リポソームの高安定化・ストレス耐性化を実現できる固定化手法の確立できる事を見出した.さらには,新研究領域「メンブレン・ストレスバイオテクノロジー」の開拓に協力し,脂質膜・(モデル)生体膜のストレス応答ダイナミクス((脂質)膜界面ダイナミクス)に立脚したリポソーム材料調製・機能発現・ストレス有効利用型プロセスの設計開発の有効性を示した.
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