2004 Fiscal Year Annual Research Report
インテリジェント材料を用いたヒレ型推進水中アクチュエータの開発
Project/Area Number |
16686049
|
Research Institution | Yokohama National University |
Principal Investigator |
和田 大志 国立大学法人横浜国立大学, 大学院・工学研究院, 助教授 (60359700)
|
Keywords | アクチュエータ / インテリジェント材料 / ヒレ推進 / センサー / 知能構造 / PIV / バイオメカニズム / 流れの可視化 |
Research Abstract |
弾性体ならびに剛体で作製した水中翼(ヒレ)の最大推進力を得るために、ヒレの断面形状、振動数、振幅等を変化させて調査した。まず、本研究に最適な推進実験用回流水槽を設計し導入し、ヒレ周囲の流場を可視化するため、CW連続レーザー、高速度カメラ、解析ソフトウエア等からなるPIVの装置を設置した。通常PIV測定でのシート光は一枚であるが、本研究では影が出来ないようヒレの両側からシート光をあてる必要があり、点光源のレーザー光をスプリットレンズにより二つに分けヒレの両側からシート光を当てることに成功した。この結果、PIV解析に必要十分な光量を得ることが出来た。リアルタイムでパソコン画面で流場観察が可能であり、ヒレ周囲の流速分布や渦度分布などの解析も可能な装置を作成した。また、多様なヒレの動きはデジタル制御によりステッピングモーターを動力源として実現した。以上によって、水中ヒレ推進における最適なヒレ動作を効率的に調査する装置を世界で初めて製作することに成功した。第1年度である本年度、平板断面形状よりも翼形状(NACA0021)の方が、そして剛体よりも弾性体の方が、多くの状況(各種振幅・振動数・流速)で、一般的にはより大きな推力を発する結果を得たが、同時にそれは振幅・振動数・流速等に依存し複雑な変化を示すことも分かった。最も簡単には、翼の推力(揚力)は、翼周囲の渦度Γに比例するから、翼伴流に対の逆カルマン渦列を生じせしめることが重要と言え、実験結果からその考え方の妥当性が証明できた。ただ、翼周囲の流場は多種多様であり、渦を一旦つくっても翼自身がそれを壊す場合、逆回転の渦をつくる場合、渦をつくらず流れにただ逆らうだけの場合など、種々の流場が観察されたので、状況に合わせた翼動作の最適化を来年度に向けて行う必要がある。またそれと同時に、インテリジェント材料駆動化を進める予定である。
|