2004 Fiscal Year Annual Research Report
“未来の生態系"天然二酸化炭素噴出地における植物の適応と進化
Project/Area Number |
16687001
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
彦坂 幸毅 東北大学, 大学院・生命科学研究科, 助教授 (10272006)
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Keywords | CO2 spring / 光合成特性 / CO2濃度上昇 / 窒素利用 |
Research Abstract |
・青森県八甲田山系の二つのCO2噴出地(龍神沼・湯ノ川)と山形県湯殿山神社のCO2噴出地(丹生)の3カ所で大気組成・土壌栄養・植物生理生態パラメータの基礎的測定を行った(Onoda et al.投稿中)。 ・上記3カ所のCO2噴出地と付近のコントロールサイトから代表的草本(八甲田からオオイタドリ・丹生からオオバコ)を仙台の実験圃場に移植し、一定期間生育させたのち、光合成特性を測定した。噴出地由来とコントロール由来の間で比較すると、多くの性質に違いは見られなかったが、水利用効率などに有意差が見られるケースがあった(Onoda et al.論文準備中)。 ・丹生のオオバコについては、移植個体を増やし、実験圃場のオープントップチャンバー内で水耕栽培を行い、成長を非破壊的に追跡した。バイオマス分配などに由来間で有意差が見られ、CO2噴出地付近に生育する個体が高CO2環境に適応し、進化している可能性が示唆された。 ・八甲田山系ではオオイタドリを対象とし、様々な光環境・土壌栄養条件・CO2濃度が個葉光合成特性に与える影響を現地調査した。その結果、CO2の効果は光環境の効果に比べて小さく、多くの特性はCO2濃度に依存していなかった。しかし、葉重/葉面積比はCO2濃度上昇により有意に増加しており、CO2濃度の影響が確認された。
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Research Products
(7 results)