2005 Fiscal Year Annual Research Report
未来の生態系天然二酸化炭素噴出地における植物の適応と進化
Project/Area Number |
16687001
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
彦坂 幸毅 東北大学, 大学院・生命科学研究科, 助教授 (10272006)
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Keywords | 植物 / 生態学 |
Research Abstract |
八甲田山系に存在する複数のCO2噴出地周辺にて、高CO2環境と低CO2環境に自生するオオイタドリの生理生態特性を比較した。CO2環境が葉窒素濃度や葉内窒素利用に影響していることを明らかにした。 八甲田山系のCO2噴出地の一つは、近年上層木が刈り取られ、光環境の改善により遷移が始まった。高CO2濃度領域では低CO2濃度領域と異なる種が優占しつつあることを発見した(Onoda et al. 2005)。 湯殿山にあるCO2噴出地付近からオオバコを実験圃場に移植し、高CO2環境と低CO2環境で育成した。高CO2由来の個体ほどシュートにバイオマスを多く投資することを発見した。さらに、この個体から自殖種子を得て育て、高CO2由来の子供がシュートに多くバイオマスを投資していることを確認した。 マイクロサテライトマーカーを用いて湯殿山のCO2噴出地付近のオオバコ集団の遺伝的解析を行った。その結果、高CO2環境の集団は低CO2環境の集団より若干離れていることを見出した。 この他、湯殿山CO2噴出地のオオバコは種子発芽にこかかる時間が短いなどの発見をし、現在追試を行っている。
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Research Products
(6 results)