2005 Fiscal Year Annual Research Report
アネロバイオテクノロジーの開拓-嫌気下での特異な微生物反応による有用物質生産-
Project/Area Number |
16688004
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
小川 順 京都大学, 農学研究科, 助手 (70281102)
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Keywords | 嫌気性微生物 / 乳酸菌 / 共役リノール酸 / アラキドン酸 / エイコサペンタエン酸 / 飽和化反応 / アルドラーゼ / デオキシリボヌクレオシド |
Research Abstract |
Lactobacillus reuteriおよびBifidobacterium breveにおいて嫌気条件下での共役リノール酸生産に関与するとされる機能未知の遺伝子のL.plantarum 1009aにおけるオルソログを取得した。本遺伝子産物を発現した形質転換大腸菌の無細胞抽出液とL.plantarum 1009a無細胞抽出液の可溶性画分ならびに膜画分との相補試験を行ったところ、本遺伝子産物は、L.plantarum 1009a無細胞抽出液の膜画分に存在する嫌気条件下での共役リノール酸生産に関与する蛋白質の機能を代替しうることが判明した。 Clostridium bifermentans JCM 1386株が、嫌気培養中において、炭素数18及び20のn-3およびn-6系の不飽和脂肪酸を飽和化し、二重結合の一つ少ない新規な脂肪酸を生成することを見いだした。リノール酸、アラキドン酸、エイコサペンタエン酸の飽和化生成物の構造解析により、本菌の嫌気培養中における不飽和脂肪酸変換反応は、cis体のω6、ω9位の二重結合をtrans体のω7位へと飽和化するものであると推定した。 パン酵母による嫌気条件下でのグルコースからのフルクトース1,6-2リン酸(FDP)の誘導、デオキシリボアルドラーゼ発現大腸菌によるFDP、アセトアルデヒドからの2-デオキシリボース5-リン酸(DR5P)合成、さらにボスホペントムターゼおよびヌクレオシドボスホリラーゼ発現大腸菌によるDR5Pと核酸塩基からの2'-デオキシリボヌクレオシド合成から成るマルチステップ酵素反応を1ポットで行うプロセスについて、反応条件の検討および触媒の改良を試みた結果、グルコース、アセトアルデヒド、アデニンを原料に約30mMの2'-デオキシイノシンの生産を達成した。
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Research Products
(2 results)