2004 Fiscal Year Annual Research Report
摂食による末梢感覚組織の遺伝子発現応答の計測および味覚神経伝達回路網の可視化観察
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16688006
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
松本 一朗 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 寄付講座教員 (00291328)
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Keywords | gene expression profile / microarray |
Research Abstract |
本申請研究は、味細胞と感覚神経細胞の特性を解明し、そこから得られた知見に基づき末梢入力系を可視化するトランスジェニック動物の作製と解析を行うものである。味細胞側に関しては、味受容体や下流の情報伝達系因子など細胞種特異的に発現する遺伝子のプロモーターを利用して、GFPなどの蛍光性タンパク質により細胞を標識し、細胞種別の遺伝子発現特性を解明する。味神経側に関しては、どれが味神経細胞であるのかを解剖学的・分子神経化学的に特定することが不可能であることから、味神経細胞が存在する神経節の遺伝子発現特性の解明から開始し、味神経細胞特異的遺伝子の同定と、それらの遺伝子のプロモーターを用いたトランスジェニックマウスを作製し、味細胞とのシナプス形成機構を分子遺伝学的に解明することを目標としている。現在までに、味蕾および末梢感覚神経節のDNAマイクロアレイ実験は完了している。比較対照組織のデータを併せて、味蕾および末梢感覚神経節の遺伝子発現特性を詳細に解析しているところである。また、味細胞特異的遺伝子、具体的には嗜好的味覚受容体T1R3および忌避的味覚受容に関与するガストデューシン(Ggust)、のプロモーターの下流に、レポーターとしてEGFPおよびDsRed2を連結し、味細胞を蛍光標識したトランスジェニックマウスの作製を試みた。しかし、これまでに適切な個体を得るには至っておらず、継続してトランスジェニックマウスの作製を試みる予定である。
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