2004 Fiscal Year Annual Research Report
生体微量元素のナノスペシエーションの開発とメタロミクスにおける応用
Project/Area Number |
16689005
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
小椋 康光 千葉大学, 大学院・薬学研究院, 助教授 (40292677)
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Keywords | スペシエーション / セレン / ICP-MS / キャピラリーHPLC / 無臭ニンニク / シイタケ / ナノスペシエーション / エシャレット |
Research Abstract |
初年度には、まずメタローム(matallome)解析に利用する新規のスペシエーション法の開発を行った。具体的な実施項目として、以下の5項目を実施し、それぞれ成果を得た。1)金属含有成分をキャピラリーHPLCにより分析するためのキャピラリーHPLCカラムの新規開発を行った。その結果、従来法と同等以上の性能を有するキャピラリーHPLC系を確立することができた。この成果は、原著論文として報告した。2)キャピラリーHPLCと誘導結合プラズマ質量分析装置(ICP-MS)との結合を行うためのインターフェース部の開発を行った。その結果、従来の市販品を凌駕する性能を有したインターフェース部の開発に成功した。この成果は、特許として出願した。3)実験規模を実験動物から培養細胞へとダウンサイジングすることを検討した。その結果、培養細胞を使用する規模の実験でも従来法に匹敵する分析が可能であることが明らかとなったため、次年度では分子生物学的手法を取り入れたユニークなメタローム解析を展開していく。次年度に得られる結果とあわせて、報告していく予定である。4)セレンをICP-MSで測定する際の分子イオン干渉を回避する方策を検討した。その結果、これまで不可避的とされてきたICP-MSによるセレン分析において、革新的な分析手法を開発することができた。この成果は、原著論文として現在投稿中である。5)メタローム解析によって、金属含有成分の薬理学的、食品栄養学的あるいは毒性学的な特徴付けが可能であることを示すため、高セレン含量野菜を用いて例示した。本項目の成果は、原著論文として2報(投稿準備中1報含む)報告した。さらに特許も1件出願した。本成果によって。メタローム解析そのものが、特許出願に結びつくことを実証できたので、次年度以降も積極的に特許出願に努めることとする。
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