Research Abstract |
本研究の目的は,上皮細胞の細胞極性構築過程における膜タンパク質分子,膜脂質分子の局在動態をライブセルイメージングの技法により詳細に解析し,細胞極性の分子機構を解明することである.本年度の計画は,生きている細胞内での各種膜タンパク質分子や膜脂質分子の局在動態を観察するために,各種分子プローブに蛍光性タンパク質などのタグを繋げたキメラ分子を作製し,蛍光顕微鏡下でタンパク質の挙動を解析できるようにし,さらに,三次元的かつ経時的な解析のため高速三次元ライブセルイメージング解析法を導入することであった.本年度は,GFPやモノメリックRFP(mRFP)などの蛍光タンパク質や,Lumio, Halo等の生体染色用分子タグを繋いだ各種シグナル分子可視化プローブを作製した.主なプローブは,次の通りである.各種シグナル脂質の可視化プローブとして,PLC-PH(PI(4,5)P2),AKT-PH(PI(3,4,5)P3),PKC-θおよびβのC1ドメイン(DAG),Caveolin-TM(cholesterol),Raf-1のSite-IIドメイン(Phosphatidic acid).各種シグナル分子可視化プローブとして,PKC-β(cPKC),PKC-θ(nPKC),PKC-δ(nPKC),PKC-ζ(aPKC),Rhotekin-RBDドメイン(活性型Rho),PAK1-RBDドメイン(活性型Cdc42,Rac),cRaf1-RBDドメイン(活性型Ras).対比用プローブとして,Actin, Tubulin,各種グルコーストランスポーター(GLUT1,2,3,4,5,SMIT, SGLT),palmitoylationサイト(細胞膜).また,高速三次元ライブセルイメージング解析を行える環境を整えた.上記のプローブの一部は既に培養細胞系に導入し,新システムによる解析を開始した。
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