2005 Fiscal Year Annual Research Report
ライブセルイメージングによる上皮細胞の細胞極性形成機構の解析
Project/Area Number |
16689006
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Research Institution | Gunma University |
Principal Investigator |
鈴木 健史 群馬大学, 大学院・医学系研究科, 助手 (00261868)
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Keywords | 細胞極性 / 上皮細胞 / 3次元ライブセルイメージング / 免疫シナプス / 免疫細胞 / シグナル分子 / シグナル脂質 / 膜タンパク質 |
Research Abstract |
本研究の目的は,細胞極性構築過程における膜タンパク質分子,膜脂質分子の局在動態をライブセルイメージングの技法により詳細に解析し,細胞極性の分子機構を解明することである.本年は細胞極性構築の全行程を極短時間で追跡できるシステムとして,免疫細胞と抗原提示細胞の会合実験系の導入を行った.このシステムでは,2種類の球形の細胞がドッキングして免疫シナプスを形成する際に,その接触面に新しい膜ドメインが新たにでき,その面に向かってゴルジ体やMTOCが急速に移動し細胞極性を構築する.この全行程はわずか10分程度で完了することから細胞極性の構築行程の全行程を見るシステムとして最適である.上皮細胞における細胞極性構築過程でのシグナル分子動態との比較により,細胞極性の本質に迫れるものと考えられる.現在,昨年度導入完成した高速三次元ライブセルイメージング解析システムや,各種シグナル分子可視化プローブを駆使して細胞極性構築過程における分子動態の解析を行っている.その結果,PKC分子の新規膜ドメインへの集合が,脂質性セカンドメッセンジャーであるPI(3,4,5)P3の新規合成に時空間的に関連している可能性を発見した.またこの動きと同じタイミングで,PI(4,5)P2が新規膜ドメインから除去されてそれ以外の膜領域にのみ局在することを突きとめた.これらのシグナル分子がどのように相関しているのかを検証するためには,さらに細かいレベルでの動態解析が必要となる.来年度は,それを可能にするためにこれらの分子を同じ細胞で同時に観察するための2色蛍光同時解析法を開発する予定である.また,上皮細胞系での関連性を確認するために,培養上皮細胞へもこれらの分子プローブを導入しその動態を比較する.
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